薬剤師

薬剤師の仕事

薬剤師の仕事は、勤務する職場によって業務内容が異なります。

国内の全薬剤師の半数以上が勤務している薬局では、医師の処方せんに基づいて薬を調剤したり、正しい薬の使い方の指導をしたり、また飲み合わせのチェックなどを行っています。

薬剤師の勤務先として薬局の次に多いのは病院です。薬局と同様に薬の調剤を行なうほか、注射薬や点滴の調製を行ったり、実際に患者の様子を観察し、副作用などによる体調変化をチェックしたりする役割も担っています。また、薬の在庫管理や品質管理も薬剤師の仕事です。

一方で、製薬会社に勤務する場合は薬の研究や開発、営業という幅広い業務に携わることができます。

このほかにも、国や県庁、保健所などの行政機関で医薬品等の表示や保管、適正使用について調査・指導・監視を行ったり、警察や自衛隊で麻薬取締官や自衛隊薬務官として働く薬剤師もいます。

このように、薬剤師は薬に関する専門的な知識を駆使して、幅広い職場で活躍しているのです。

人の命に直結する「薬」を扱うため“絶対に失敗できない”という重圧はありますが、病気や薬のことで困っている人の手助けを行なうやりがいの大きな職種です。

患者の信頼に応えるための強い責任感や倫理観を持った人、また他人に思いやりを持って接し、相手のことを尊重できる人に向いている職種といえるでしょう。

薬剤師になるには?

薬剤師になるには、6年制の薬学部のある大学もしくは薬科大学での薬剤師養成課程を修了し、薬剤師国家試験に合格することが必須です。

国家試験は例年3月に2日間の日程で実施されており、試験問題は必須問題と一般問題に分かれ、物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務といった幅広い科目から出題されます。

試験に合格できれば、申請後に厚生労働省の薬剤師名簿に登録され、厚生労働大臣から薬剤師免許が与えられます。

以下は、直近5年間における薬剤師国家試験の合格率をまとめたもので、5年間の平均合格率は70.26%となっています。

実施年度回数合格率
2017年第102回71.58%
2018年第103回70.58%
2019年第104回70.91%
2020年第105回69.58%
2021年第106回68.66%

薬剤師国家試験の難易度を判断するためにほかの医療系国家資格の合格率を見てみると、2021年の合格率は、医師91.4%、歯科医師64.6%、看護師90.4%、助産師99.6%、保健師94.3%、臨床検査技師80.2%、診療放射線技師74.0%となっています。

このことから薬剤師国家試験の難易度は、ほかの医療系国家資格と比べても高いことが伺えるでしょう。

必要な資格

薬剤師として働くには薬剤師の国家資格を取得する必要がありますが、まずは薬剤師国家試験を受験するための資格として以下のいずれかを満たさなければなりません。

①6年制薬学課程を卒業した者または卒業見込みの者

②外国の薬学校を卒業したか、外国の薬剤師免許を受けた者で、厚生労働大臣が認定した者

③薬学4年制の時代に薬学部を卒業し、かつ薬学の修士または博士の課程を修了し、薬剤師国家試験受験資格認定を受けた者

参照:[厚生労働省 | 薬剤師国家試験]

(https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/yakuzaishi/)

今から薬剤師を目指すのなら、6年制薬学課程へ進学する①が最も現実的なルートとなるでしょう。

ちなみに、薬学課程には夜間大学や通信講座はありません。また、短期大学や専門学校などもありません。

薬剤師国家試験には年齢制限がないため、どなたでも薬剤師を目指すことができますが、6年制大学でみっちりとカリキュラムをこなす必要があります。

専門的な学校・学科はあるの?

2022年現在、全国に薬学部を持つ大学は国公立、私立合わせて77大学79学部あります。 

薬剤師になるためにはこの79学部から選んで進学することが必須ですが、国公立と私立では学費や難易度がまったく異なります。

目安として、私立大学の場合は卒業までに約2,000万円の学費が必要であり、難易度は大学によって大きく異なります。

一方、国公立大学の場合は卒業までに約350万円と私立大学よりも大幅に学費が抑えられますが、どの大学も総じて難易度が高いため入念な受験対策が求められるでしょう。

前述したとおり、薬剤師国家試験はほかの医療系国家資格と比べても難易度が高いため、少しでも合格率を上げたいのなら、厚生労働省が毎年発表している「薬剤師国家試験大学別合格者数」を参考に合格率の高い大学を選ぶとよいでしょう。

令和4年の「薬剤師国家試験大学別合格者数」を見てみると、最も合格率が高い大学は100%、最も合格率が低い大学は38.46%と大きな差があるため、大学選びは決して軽視できないことがわかります。

参照:[第107回薬剤師国家試験大学別合格者数](https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/yakuzaishi/)

薬剤師の年収・給与・収入

厚生労働省のデータによると、令和2年における全薬剤師の平均年収は565万円となっています。国税庁が公表する全職種の平均年収433万円と比べると、薬剤師の方が約132万円も高いため、給与水準が高い職種であることがわかります。

ただし、薬剤師の平均年収は勤務先による差が大きく、年収が高い製薬会社勤務と年収が低い病院勤務の場合で約110万円もの賃金差があることを知っておかなければなりません。

勤務先平均年収
病院薬剤師434.6万円
調剤薬局488.3万円
ドラッグストア512.5万円
製薬会社543.2万円

製薬会社勤務の年収が一番高いのは、業績が年収に反映される成果主義である会社が多いため、年収も高くなるものと考えられます。

次いで年収が高いドラッグストアでは、近年拡大している店舗数に対応するべく、人材確保のため薬剤師の取り合いが行われており、それが年収を引き上げている要因と考えられます。また、業務範囲の広さや勤務時間の長さも収入に影響しているでしょう。

このように、一口に薬剤師といっても収入は勤務先によって大きく異なるため、就職活動前にしっかりとリサーチを行なうことが大切です。

薬剤師の社会のニーズ・将来性・まとめ

高い年収を狙える薬剤師は人気の職業ですが、「長い目で見ると供給過多になる」とか「薬剤師の業務はAIが代替するようになる」など、その将来性を危惧する声も少なくありません。

一方で、ドラッグストア市場の拡大や「かかりつけ薬剤師」が注目されるようになって以降、薬剤師が担う業務範囲は広がりを見せています。

また、AIの台頭とはいっても、なんでもできる汎用型AIの誕生は数十年後ともいわれており、しばらくは薬剤師の業務のうちのほんの一部を代わりに行ってくれる限定的な役割に留まるでしょう。

さらに、患者の病態や要望などを汲み取ったり、相手の気持ちに寄り添ったりすることは決してAIには代替できないことから、すべての薬剤師がAIに代わる未来は考えにくいといえます。

この世に病気が存在する限り必要とされる薬剤師という職業ですが、これからは従来の調剤業務を行なうだけでなく、社会の変化に柔軟に適応できる能力やスキルが求められるでしょう。

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