広告営業

広告営業の仕事

広告営業は広告に関するすべての責任を担う仕事です。大きく分けると、代理店営業と自社  媒体営業に分かれます。


(代理店営業)

広告営業は自社サービスを広く宣伝したいクライアントを、WEBやテレビ・新聞や雑誌などのメディアと結びつけ、広告枠を販売する仕事です。具体的には、クライアントやメディアの担当窓口としての役割を果たし、広告の企画や提案、スケジュールや予算管理を行っていきます。

クライアントから直接受注できる場合は広告製作までを一貫して行いますが、競合がいる場合は受注前にコンペが発生します。その際の広告営業の役割は、オリエンテーションに向けての社内での情報共有や企画案のまとめです。

そして、案件を獲得したあとは、予算管理やスケジュール管理、製作に関わる担当者の調整や製作物のチェックなどを行います。

(自社媒体営業)

自社媒体営業は主に、自社で扱うメディアに広告掲載してくれるクライアントを開拓するのが仕事です。掲載先が決まったら、クライアントの要望に沿って広告展開をしていきます。自社メディアを媒体に使うため、自由な発想で広告戦略を練れるところが魅力です。チャンスがあれば新たな企画を作ることもできる分、柔軟な発想が求められます。

広告営業の仕事のやりがいについては、1つ目は話題の広告を作ることで多くの人に注目される点、2つ目は担当する企業のブランドイメージが上がる点が挙げられます。

クライアントが大企業だと、スポーツ・文化の大型イベントやCM、店頭プロモーションなどに広く携わることも可能です。

広告営業に向いている人の特徴は大きく分けて5つあります。

①コミュニケーション能力がある人

新規開拓や既存顧客のフォロー、クライアント要望の聞き取りや随時発生する打ち合わせなど多岐に渡るシチュエーションでコミュニケーションをとる機会があります。また、プロジェクトチームをまとめることも必要になるので、協調性のあるコミュニケーション能力が求められます。

②チーム作業が好きな人

広告制作は広告主や代理店、制作担当者などさまざまな人たちとチームを組みプロジェクトが進行します。そのため、一人で完結する仕事を好む人には向きません。チームでものごとを成し遂げる協調性がある人に最適です。

③流行に敏感な人

インターネット広告には、さまざまな種類があります。ユーザーの検索ページに表示するバナー広告やリスティング広告、TwitterやInstagramなどのSNSを通じたソーシャルメディア広告、サイトを訪問した人に対し広告配信を行うリターケティング広告やYouTubeの動画広告などです。

これらの広告に対応するために常に流行のアンテナを張り巡らせ、広告の掲載方法を選択していくことが求められます。

④打たれ強い人

広告営業には打たれ強い人が求められます。

広告を作るためにはクライアントが定める期日までに制作を完了し、なんとか広告掲載をしなければならないからです。万が一納期が遅れる場合には調整役を務めるケースもあり、プレッシャーは相当なものになります。そのような場合にもめげずに進行していくメンタルの強さが必要です。

⑤分析力がある人

広告制作は、広告物が完成しただけで終わりではありません。費用に見合うだけの、売上につながらなければ意味がないからです。

そのためには、成果を出すための事前のマーケティング力や広告掲載中のデータ分析力が求められます。もし、思い通りの数値を達成できない場合は、問題点を発見して改善策につながる分析力も求められます。

広告営業になるには?

広告営業になるには、広告代理店の就職試験に合格しなければなりません。

試験内容は筆記試験と面接です。筆記試験には、SPIなどの適性検査や時事問題、作文などがあります。面接は最終面接を含む3次面接まで行われるのが一般的です。

面接でよく聞かれる質問は、「広告業界を選ぶ理由」「自分が好きな広告」「コミュニケーションで大事にしていること」「担当したいクライアント」「今後の未来」などがあります。面接で答えられるよう志望動機を整理しておいたり、広告業界の話題をネットなどで調べたりして対策しておけば自信を持って挑めるでしょう。

また、普段から映像・音楽・小説などのクリエイティブな分野や、幅広い雑学的な話題に触れておく事も必要です。それは面接だけでなく、実際に仕事に就いたときのクライアントやクリエイターとのコミュニケーションで役立ちます。

必要な資格

広告営業になるために必要な資格はありません。しかし、持っていると就職の際アピールできる有利な資格はあります。次の4つの資格を、持っておいて損はしません。

①マーケティング・ビジネス実務検定

国際実務マーケティング協会が主催する、マーケティング実務についての知識を問われる試験です。試験を通して、マーケティングの知識や事例について学ぶことができるので、営業職で広告戦略を練るのに役立ちます。受験資格がないので、誰でも受けられるのがポイントです。

②Webリテラシー試験

社団法人 全日本能率連盟が主催する試験です。WEBを活用するための標準的な知識があるかを問われます。試験は大きく「WEBリテラシー」「WEBデザイン」「WEBディレクション」「WEBプロデューサー」の4つに分かれています。WEBリテラシー試験を取得しておけば、広告営業を行う上で役立ちます。誰でも受験可能です。

③Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)

Googleの主催する試験です。Googleアナリティクスの仕組みやデータ収集、設定や管理、コンバージョンなどの基礎から応用知識まで幅広く問われるので、勉強することでWEB解析の知識を身につけることができます。オンライン上で好きなタイミングで行える手軽さが魅力です。

④Google広告の認定資格

Googleが行う認定資格試験です。Googleの「検索広告」「ディスプレイ広告」「動画広告」「アプリ広告」「ショッピング広告」「広告測定」の6つの項目からGoogle広告についての専門知識を問われる試験です。取得することで、Google広告認定の資格を持っていることを面接官にアピールできます。

専門的な学校・学科はあるの?

広告営業職を養成する学校はありません。しかし、広告に関して学べる大学や専門学校はあります。例えば大学ならば、メディアコンテンツのビジネス活用方法を学ぶコース、専門学校ならメディアへの効果的なアプローチ法を学ぶコースがあります。

初年度に掛かる学費は、専門学校で約100万円から140万円、大学・短期大学では約110万円から200万円ほどが相場となっています。

広告営業の年収・給与・収入

広告営業職の収入は大手広告代理店を例に取ると、年収約500万円から1,200万円ほどです。月収でいうと約42万円から100万円となります。中小の広告代理店を例に取ると、約350万円から420万円ほどです。月収にすると約30万円から35万円ほどになります。

特徴として、担当した広告の成果に対するインセンティブを出す例も多くあることから、実力次第で大きく稼げるチャンスがある仕事といえるでしょう。

広告営業の社会のニーズ・将来性・まとめ

広告は従来の屋外広告からオンライン広告へと変化し、交通広告は紙媒体からデジタルサイネージ・屋外ビジョンへシフトしてきました。

2021年の総広告費を例にすると、広告費全体で6兆7,998億円です。そのなかでもインターネット広告費は好調で2兆7,052億円となり、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌のマスコミ四媒体広告制作費の総額2兆4,538億円を上回る成長を見せています。

この流れは今後も続いていくと予想されるので、これからの広告業界には数種類のインターネット広告に対応できる人材が必要です。広告営業を目指すならば、幅広い物事に知見を持ち、広告に関する資格などの勉強をして自分を高めておけば臆することありません。

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