Webディレクターの仕事
Webディレクターは、サイトの企画立案・運用・制作の責任者です。
具体的には、クライアントの要望や課題のヒアリング、見積もりや予算管理、制作の進行管理やコンテンツの品質管理、プロジェクトメンバーの選定やサイトの更新作業などを行います。
単純にWebディレクターといっても、「Web制作会社」「広告代理店」「システム開発会社」「サービスプロバイダー」など、業種によって求められる役割が異なります。その役割を業種別に取り上げてみましょう。
(Web制作会社)
Web制作会社では企業や代理店から依頼された内容に基づき、Webサイト制作を請け負います。
ここでのディレクターの役割は、サイトの構築や設計計画を立案し、企画内容をコンテンツとして形にすることです。制作進行管理や校正、公開後の運営管理まで任される場合もあります。
(広告代理店)
広告代理店は、クライアント企業にメディアの広告枠を売るのが主な業務となります。
Webディレクターのおもな役割は、クライアントの要望をもとにWebメディアの効果的なプロモーションを企画・提案することです。制作部門がない場合は、外部の制作会社を選定し、ディレクションする役割も求められます。
(システム開発会社)
サイトのプログラミングを行うのが主な業務です。
ディレクターのおもな役割は、システム開発のディレクションです。システム要件を洗い出して仕様書を作成したり、開発の進行管理や品質のチェックを行なったりします。
(サービスプロバイダー)
ゲーム配信やコミュニティサイト運営など、独自のサービスを強みとする会社です。
Webディレクターの役割は、サイト制作の全行程の管理です。具体的にはコンテンツ企画やサイト設計、制作進行管理や運用・更新、販促プロモーションなどが役割になります。
業種によってさまざまな役割を担うWebディレクターですが、向いている人の特徴を3つ取り上げたいと思います。
①対応力のある人
Web制作では、クライアントからの内容変更依頼は珍しくありません。Webディレクターは、そのようなイレギュラーな要望にも臨機応変に対応する柔軟性が求められます。
②マルチタスクをこなせる人
Webディレクターは、関係各所との交渉やスケジュール調整、スタッフの管理や品質チェック、予算管理など幅広くこなさなければなりません。そのため、たくさんの仕事を同時にこなすマルチタスク能力が求められます。
③ストレスに強い人
Webディレクターは、クライアントからの要望やプロジェクト全体のスケジュールを管理し、滞りなくWeb制作をしていかなければなりません。そのため、どんなときにもプレッシャーをはねのけるストレス耐性の強い人が向いています。
反対に、Webディレクターに向かない人とは、どのようなタイプの人でしょうか。
①コミュニケーションが苦手な人
Webディレクターはクライアントをはじめ、デザイナーやエンジニアなどの制作者側とも密にコミュニケーションを取らなければ仕事がうまく進みません。
外部折衝能力ともいわれ、クライアントのニーズを委細漏らさず聞き取り、それを制作側に分かりやすく伝達する。
コミュニケーションは、仲介進行役には欠かせない能力です。
②ルーティンワークを好む人
Web制作の現場はイレギュラーな仕事が多く、臨機応変な対応が求められます。同じ作業を黙々とやりたいという人にとっては、Webディレクターは向いていません。
③頑固な人
頑固な人もWebディレクター向きではありません。
Webディレクターは、クライアントやデザイナー、エンジニアなどの意見を調整して業務の進行管理を行います。どんな状況にも、柔軟に対応できる姿勢がないと難しい業務です。
Webディレクターになるには?
Webディレクターになるには、まずはWeb制作会社などに就職して経験を積む必要があります。
Web制作会社の採用試験の内容は主に、筆記試験と複数回の面接です。
筆記試験では性格適性検査をはじめ、時事問題や作文などが課されます。性格診断試験は特に対策ができないので、そのまま素直に答えるしかありません。しかし、時事問題や作文などは、ニュースを見たり文章を書くことを習慣づければ対応できるでしょう。
面接では「その会社を選んだ動機」や「入社後に貢献できること」などについて聞かれます。あらかじめ受ける会社の特徴や将来性を調べ、答えられるようにしておく必要があります。また、自己アピールでは、Webディレクターとして必要な対応力やストレス耐性があることをエピソードを交えながら話すとよいでしょう。
必要な資格
Webディレクターとして業務に役立つ資格が4つあります。
①Webリテラシー試験
Webに関係する、ディレクター・プロデューサー・デザイナーの主要3職種の知識を問う試験です。試験は大きく4つに分かれていて、「Webリテラシー試験」「Webデザイン試験」「Webディレクション試験」「Webプロデュース試験」があります。Webディレクターを目指すならば、どれも必要な知識といえます。
②Webアナリスト検定
ユーザー目線のデータ分析をもとに、集客・回遊・コンバージョン・リピートにわけ、Googleアナリティクスを体系的に学ぶ検定です。
検定は一日5時間の講座を受けてから試験を受ける方法と、試験のみを受ける方法があります。8割ほどの人が合格しているため、比較的取りやすい資格です。
③Web解析士
アクセス解析をはじめとするWeb解析データを使って、サイトを解析する力があるかを問う試験です。
任意のWeb解析士認定講座を受講してからの受験と、試験のみの2種類から選べます。
④ネットマーケティング検定
各種ブランディング・顧客満足度向上・業務の効率化など、インターネットマーケティングに必要な知識が出題される試験です。試験問題は40問からなり、基礎的知識や実務を想定した事例問題が出されます。
専門的な学校・学科はあるの?
Webディレクターになるための学校は、専門学校ならばWebデザイン科のある学校がおすすめです。Webディレクターに必要な企画立案やサイト構築に関する知識や、プレゼンテーションやデザインに関する知識を実践的に学ぶことができるからです。費用は専門学校によって異なりますが、60〜100万円ほどです。
大学ならマーケティング・プログラミング・デザインを学べる学校が適しています。マーケティングやプログラミングの視点から、Webサイトの分析力や解析力を学ぶことができたり、人にうけるデザインの傾向を学んだりできるからです。学費は大学によって異なりますが、平均して年間60〜150万円ほどです。
Webディレクターの年収・給与・収入
Webディレクターの平均年収は、約496万円ほどになります。月収にすると、41万円ほどです。新卒の初任給は約24万円が平均で、平均年収では約300万ほどになります。
能力が高いWebディレクターになれば、若くして年収500万円を超えるケースもあります。規模の小さい会社では収入が上がりにくいケースもありますが、実績を積んでフリーランスになる選択肢もあります。
Webディレクターの社会のニーズ・将来性・まとめ
Webディレクターは、Web業界の変化とともに求められる役割が広がってきました。
これからはWebデザインやSEO、マーケティングの知見など、Web業界全体の幅広い知識が求められています。
現在は、モバイル連携やメディアミックスなどWeb業界のトレンドの移り変わりが早いこともあり、Web業界全体として人手が足りない状況です。そのため、新卒でWeb業界に入るチャンスは広がっています。
求人募集されていたら、積極的に応募しましょう。経験を積んでWebディレクターになることができれば、若くして収入を上げることも夢ではありません。
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