「写真を撮るのが好きで、高校を卒業したらプロのカメラマンになりたい」
「サッカーワールドカップなどの大きな大会を撮るカメラマンになりたい」
このように考えている高校生も、多くいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、スポーツカメラマンのなり方は、意外にわからないものです。
そこでこの記事では、スポーツカメラマンの仕事内容やなり方、もっていると役立つ資格などについて紹介します。
記事を見て、少しでもスポーツカメラマンになるイメージづくりのお役に立てれば幸いです。
スポーツカメラマンの仕事
スポーツカメラマンは、スポーツの大会や試合、練習風景などの写真を撮るのが仕事です。
おもな媒体は、「新聞」「スポーツ雑誌」「インターネット」などです。
撮影した数多くの画像のなかから、使えそうな写真を選んでデータで送ります。
スポーツカメラマンのやりがいは、大きく分けて2つあります。
①自分の写真を評価してもらえる
自分の撮った写真を評価してもらえるのは、スポーツカメラマンのやりがいです。
スポーツカメラマンは一瞬の「選手のきらめき」をとらえるために、数多くの写真を撮ります。
数多く撮った写真のなかからベストショットを撮ることができて、高く評価されたときには、なんともいえない充実感を得られるものです。
②歴史的瞬間に立ち会える
歴史的瞬間に立ち会えるのは、スポーツカメラマンのやりがいです。
スポーツカメラマンは、海外のスポーツイベントや国内のプロスポーツなどを撮影することが多いため、歴史的瞬間に出会う確率も高くなります。
例えば、「オリンピック選手の金メダル獲得」や「プロ野球の大逆転優勝」などの瞬間です。
それらの瞬間を間近で感じられるのは、スポーツカメラマンの特権でありやりがいです。
次にスポーツカメラマンに向いている人の特徴です。
向いている人の特徴は、おもに4つあります。
①スポーツが好きな人
スポーツカメラマンに向いている人は、まずはスポーツ好きが条件です。
スポーツ好きでなければ、そのスポーツならではの醍醐味を写真に残すことができないからです。
例えば、サッカーなら豪快なシュートシーン、野球なら打者がホームランを打つインパクトの瞬間などです。
そのため、スポーツカメラマンは、スポーツ好きであることが条件になります。
②感性が優れた人
感性が優れた人は、スポーツカメラマン向きです。
スポーツカメラマンは、アスリートの歩んできたストーリーまでをも写真で表現できるような能力が必要だからです。
感性の優れた人の撮るスポーツ写真は、独特の世界観があります。
そのため、スポーツカメラマンになるなら、優れた感性をもっていることが大切です。
とはいえ、簡単に身につくものではありません。
普段から、写真や映画、美術などさまざまな表現に触れて、自分なりに感じたことをメモするなどの習慣をつけておきましょう。
③体力のある人
スポーツカメラマンは、体力がないと務まりません。
長時間におよぶ試合のなかで、選手のプレイする瞬間や試合後のインタビューを撮り続けなければならないからです。
移動の際には、1人で重い機材を抱えて会場入りし、後片付けも行なうので、かなりの体力を消耗します。
スポーツカメラマンには、そのような状況にも耐えられる体力のある人が向いています。
④コミュニケーション能力
スポーツカメラマンには、コミュニケーション能力も必要です。
普段から監督や選手とコミュニケーションを取っていれば信頼関係が生まれ、自然な表情をみせてくれることもあるからです。
また、選手インタビューなどでも緊張感を与えずに撮影することができます。
スポーツカメラマンになるには?
スポーツカメラマンになるには、まず、大学や専門学校で写真の知識や技術を学ぶのが第一です。
写真学科のある大学や専門学校なら、写真について詳しく学べるでしょう。
そして、学校で学んだあとは、就職活動です。
スポーツカメラマンの仕事を募集している業界は、おもに新聞社や出版社です。
はじめのうちは別のジャンルの写真を撮ることからはじめ、適性があればスポーツカメラマンの仕事を任されるのが一般的な流れになります。
試験は、例えば新聞社なら、筆記試験と個人面接です。
筆記試験では最近のニュースが出題されるため、多くの新聞社の記事を比較して対策しておきましょう。
面接では、「その会社を選んだ理由」「自分の強みや弱み」「カメラマンになるために学んできたこと」などの質問をされます。
なにより大切なのは、写真に対する熱い想いを伝えることです。
必要な資格
スポーツカメラマンになるために必要な資格は特にありませんが、持っておくと役に立つ資格はいくつかあります。
おもな資格は2つです。
①フォトマスター検定
公益財団法人 国際文化カレッジによって行なわれる検定です。
試験は1級・準1級・2級・3級の4つの級で構成されており、カメラの知識や技術についての問題が出題されます。
検定料はそれぞれ、「1級7,600円」「準1級6,800円」「2級5,700円」「3級4,500円」です。
年齢や学歴、職歴や経験などを問わないので、挑戦してみてはいかがでしょうか。
②Photoshop®クリエイター能力認定試験
サーティファイによって行なわれる検定試験です。
写真編集ソフト「Photoshop®」を使ったグラフィックコンテンツ制作能力を問われます。
試験は、スタンダードとエキスパートの2種類です。
スタンダードでは、Photoshop®を使った指示どおりの作業ができるかの能力を試されます。
エキスパートでは、Photoshop®を使った創造性の高いコンテンツ制作能力を試されます。
受験料はそれぞれスタンダードが7,600円、エキスパートが8,600円です。
学歴や年齢制限がないので、在学中でも挑戦できます。
専門的な学校・学科はあるの?
スポーツカメラマンになるなら、写真について学べる大学や専門学校がおすすめです。
大学では、写真家としての心構えや撮影技術などを学べる学校があります。
専門学校のなかには、スポーツ写真だけでなく、コマーシャルフォトや風景写真など幅広いテーマの写真を学べる学校があります。
スポーツカメラマンの年収・給与・収入
スポーツカメラマンの平均年収は、350万円〜650万円ほどです。
月収にすると29万円〜55万円ほどになります。
初任給は、22万円ほどが相場です。
会社によっては月収10万円、年収にすると120万円ほどの低収入で働くスポーツカメラマンもいるようです。
収入を上げようと思うなら、大手の会社に転職するか、有名なスポーツ写真コンテストで入賞して実力を証明するなどの方法があります。
また、フリーランスになるのも選択肢です。
実力のあるカメラマンならフリーランスで年収1,000万円以上稼ぐ人もいるようですが、実力がモノをいう世界なので大変厳しい道となります。
スポーツカメラマンの社会のニーズ・将来性・まとめ
近い将来、カメラに搭載されたAIが自動的に「カメラの構図」「角度」「色味」などの設定をして写真を仕上げる時代が来ると予想されています。
しかし、いくらAI技術が発達しても真似できないものがあります。
それは、カメラマンの長年の経験からにじみ出る個性です。
AIにきれいなスポーツ写真を撮ることはできても、心に訴えかけるインパクトのある写真は人間にしか撮ることができません。
そのため、スポーツカメラマンは今後もなくならない仕事といえるでしょう。
これからカメラマンを目指すなら、写真の技術だけでなくAIに出せない自分だけの個性を育てるようにしてください。
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