高校を卒業したらカウンセラーの仕事をしてみたいと考えている方も多いのではないでしょうか?
カウンセラーは心に悩みを抱えている人の相談に乗り、問題解決の手助けをする仕事です。
しかし、カウンセラーの仕事内容や必要な資格については、意外にわからないものです。
この記事では、カウンセラーの具体的な仕事内容やなり方、必要な資格などについて紹介します。
記事を見て、カウンセラーの仕事に就くためのイメージ作りのお役に立てれば幸いです。
カウンセラーの仕事
カウンセラーはなんらかの理由で心を病んでしまった方に対し、会話や心理テストを通して問題解決の方法を探していく仕事です。
ときには、症状を和らげるために薬を処方することもあります。
カウンセラーは、さまざまな場所で求められています。
具体的には、「メンタルクリニックや企業の健康管理部門」「病院や障害者施設」「児童相談所や教育現場」などです。
例えば、児童相談所では、問題を抱えている子どもへの心理テストを行ない、直接カウンセリングをしたり、児童福祉司への助言をしたりします。
ここで、カウンセラーの仕事のやりがいについて紹介します。
おもなやりがいは2つです。
①精神的に追い詰められた人の役に立てる
精神的に追い詰められた人の役に立てるところは、カウンセラーのやりがいです。
職場や家庭、学校生活でのさまざまなストレスにより精神的に追い詰められた人は、どうしようもない状況でカウンセラーのもとを訪れます。
そんな追い詰められた人の悩みに耳を傾け、少しでも生きやすくなるよう手助けをするのがカウンセラーの役目です。
カウンセラーと話をすることで相談者が少しでも前向きな気持ちになってくれたら、それは大きなやりがいです。
②相談者の晴れやかな表情が見られる
相談者の晴れやかな表情が見られるのは、やりがいです。
心が疲れて苦しい思いをして過ごす人は、「なんとかしたい」という気持ちでやっとのことでカウンセラーに相談しにきます。
そのような状況でカウンセラーに悩みを打ち明けて、晴れやかな表情で帰って行くときにはなんともいえないうれしい気持ちになるものです。
次にカウンセラーに向いている人の特徴です。
おもな特徴は、2つあります。
①相談者の悩みを温かく受け入れられる人
相談者の悩みを温かく受け入れられる人は、カウンセラー向きです。
カウンセラーの仕事ははじめに相手の悩みに共感して、心を開いてもらう必要があるからです。
そのため、相手の悩みを優しく包み込むように温かく受け入れられる人は、カウンセラー向きです。
②研究熱心な人
研究熱心な人は、カウンセラー向きです。
年齢も性別もさまざまな相談者の心の悩みに対応するには、常に新しい知識をもっておかないと、適切なアドバイスができなくなるからです。
そのため、常に専門知識をアップデートし続けないといけません。
カウンセラーになるには?
カウンセラーになるためには、国家資格の「公認心理師」や民間資格の「臨床心理士」を取るのが一般的です。
しかし、高校在学中に資格を取ることはできません。
これらの資格を取るためには、心理学を専門とする4年制大学の学部を卒業してから大学院へ進み、単位を取ることが条件になるからです。
そのため、大学や大学院で心理学について、しっかりと学んでから資格に挑戦するのが一般的です。
そして資格を取ったあとは、カウンセラーの募集を行なっている医療施設などの採用試験を受けて合格をしなければなりません。
合格してはじめて、カウンセラーとしての第一歩となります。
職場では、先輩から指示をもらいながら働くOJTを通して仕事を覚え、数年かけて一人前のカウンセラーに育っていきます。
必要な資格
カウンセラーになるための資格はいくつかありますが、仕事で必須の資格は、「公認心理師」と「臨床心理士」です。
①公認心理師
2017年の公認心理師法に基づいてできた、国家資格です。
資格を取ることで、「公認心理師」として心に悩みを抱える人に相談や助言ができるようになります。
更新制度がないのが特徴です。
公認心理師の資格試験を受ける前には、大学で25科目の履修単位取得と実習を受けたあとに大学院に進み、10科目の履修単位を取り実習を受けなければなりません。
また、公認心理師法の施行規則第5条で定められた裁判所・児童相談所・クリニックなどで2年以上働いてから受ける方法もあります。
ただ、国で定める実務経験を積める施設が少ないため、心理学系の大学に通って単位を取るのが現実的です。
試験はマークシート方式で、「公認心理師の役割」「問題解決能力」「人の心の仕組みと働き」などが150〜200問出題されます。
受験手数料は、28,700円です。
ちなみに試験会場は、東京と大阪のみとなっています。
②臨床心理士
日本臨床心理士資格認定協会により行なわれる、民間の資格です。
資格を取ることで「心理の専門家」として認められることとなります。
公認心理師と異なり、5年ごとの資格更新をする必要があります。
受験資格は、日本臨床心理士資格認定協会の定める指定大学院の修了者、指定大学院を修了後、1〜2年以上カウンセラーの仕事を経験した人です。
試験内容は一次試験と二次試験で、それぞれ筆記試験と口述面接です。
一次試験の筆記試験では、臨床心理士の専門知識などを問う100問のテストと論文記述試験が出題されます。
二次試験の口述面接では、2名の面接官により「臨床心理士としての基本的な姿勢や態度」「基本的に備えておくべき人間関係能力」などが試されます。
受験料は、認定試験の申請書類請求1500円、資格審査料3万円の合計31,500円がかかります。
専門的な学校・学科はあるの?
カウンセラーを目指すためには、大学の心理学科に通う必要があります。
学校によっては、子どもの心理を扱う学科もあるため、自分が専門としたいカウンセラー職に近いところを選ぶとよいでしょう。
また、「公認心理師」や「臨床心理士」などの資格を取るためには、指定された大学院への進学が必須なので、大学卒業後進む大学院が指定大学院であるかも事前に調べておく必要があります。
カウンセラーの年収・給与・収入
カウンセラーの平均年収は、340万円〜365万円ほどです。
月収にすると、約28万円〜約30万円ほどになります。
新卒の初任給は、21万円ほどが相場です。
カウンセラーの収入は、他の職業と比べると平均的です。
ただ、カウンセラーのなかにはアルバイトや派遣などの非正規で働いている人も多い現状があります。
カウンセラーとして収入を上げたいなら、新たな知識や経験を増やしながらカウンセリング能力を高めていくしかありません。
また、カウンセラーとしての職業経験を積むことも大切です。
その姿勢が認められれば、収入を上げるきっかけになるでしょう。
なかには、フリーランスとして1,000万円以上の収入を上げている人も一定数いますが、なかなか厳しい世界です。
まずは地道に実力を付けることが一番といえます。
カウンセラーの社会のニーズ・将来性・まとめ
カウンセラーの仕事は、今後ますます必要になるでしょう。
なにかとストレスの多い現代は、精神的な病を抱えている人が増えているからです。
仕事の効率化による労働環境の悪化、学校でのいじめ問題、不景気で先行きの見えない不安などさまざまなことが要因です。
そのような状況で、カウンセリングを求める人のニーズは高まっています。
近ごろは対面の相談以外にも、インターネットや、日本に住む外国人のためのカウンセリングなどの需要も増えています。
これからカウンセラーを目指すなら、現代人が抱えるあらゆる社会状況に関心をもちつつ、相談者に寄り添う心の豊かさを養いましょう。
相談者に心から感謝されるカウンセラーとして活躍してください。
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