個人営業

「高校を卒業したら、多くの人と話して交渉する仕事に就きたい」

これからの進路を考えるとき、そのような希望を持っている方は多いのではないでしょうか。

多くの人と話して交渉するなら、個人営業がおすすめです。

この記事では、個人営業の仕事内容ややりがい、仕事に就く方法や取っておくと役に立つ資格などについて紹介します。

この記事を見て、個人営業の仕事のイメージづくりに少しでもお役に立てれば幸いです。

個人営業の仕事

個人営業(BtoC)は、個人客やフリーランス、規模が小さい会社の経営者にサービスやモノを売る仕事です。

具体的には、「金融や保険」「住宅や自動車」「人材関係」などの分野でさまざまな商品を販売します。

個人営業の方法も、直接営業や電話営業などの新規開拓、ホームページの問い合わせからの営業などさまざまです。

ちなみに法人営業(BtoB)は、大企業や団体などの法人を対象にサービスやモノを売る営業のことをいいます。

決定権が個人ではなく、経営者や管理者であるところが異なる点です。

個人営業のやりがいは、3つです。

①お客様の反応がわかりやすい

お客様の反応が目に見えてわかるところは、個人営業のやりがいといえます。

個人営業はお客様と1対1で交渉するスタイルのため、おすすめした商品の善し悪しを直接聞くことができるからです。

例えばデスクワークでは、働く仲間からの評価はあってもお客様の評価を聞くことはほとんどありません。

お客様の反応が直接わかることにより、仕事のモチベーションupにもつながります。

②達成感がある

達成感を感じられるのも個人営業のやりがいです。

個人営業はルート営業のように決められたお客様のもとに訪問するのではなく、新規でお客様を開拓していきます。

飛び込みで営業するところからはじめ、自分の努力で契約までこぎつけたときには達成感を感じられるでしょう。

③高収入を得られる可能性ある

成果を上げることで高収入に結びつく可能性があります。

個人営業を行なう会社によっては、契約数に応じたインセンティブを与えられる会社があるからです。

ちなみにインセンティブとは、売上に応じた報酬のことです。

成果次第では、学歴に関係なく高年収や出世の可能性があるのは、魅力的といえます。

次に、個人営業に向いている人の特徴を紹介します。

おもな特徴は、4つです。

①細やかな気づかいができる人

細やかな気づかいができる人は、個人営業向きといえます。

個人営業として成功する人は、お客様に細やかな対応ができる人が多いからです。

具体的には、お客様へマメに連絡を取ったり、お客様だけに有益な情報を流したりすることがあげられます。

その細やかな積み重ねが、「あなたが良くしてくれるから、商品を買いたい」という成果につながっていきます。

②お客様の悩みをなんとかして解決したいと思える人

お客様の悩みをなんとか解決したいと思える人は、個人営業向きです。

個人営業は、お客様が抱えている悩みに寄り添い、その悩みを解消するようベストをつくす仕事だからです。

例えば、住宅販売の個人営業で、「子どもにとって環境のいい家に住みたい」「今より収納が大きい家に住みたい」などの悩みです。

このような悩みに親身に寄り添い、問題が解決するようベストを尽くせる人は個人営業向きといえます。

③ストレスに強い人

ストレスに強い人は、個人営業向きです。

個人営業の仕事は新規のお客様を開拓するため、営業しても断られたり、営業先で怒鳴られたりすることがあります。

成約に結びつかない場合は、上司にプレッシャーをかけられ精神的に追い詰められることもあるでしょう。

そんなときに、多少のことではへこたれない強い精神力の人は向いています。

④自分の力で稼ぐことに喜びを感じる人

自分の力だけで稼ぐことに喜びを感じる人は、個人営業向きです。

個人営業は、自分自身のトークやスキルがお客様から評価され、それが直接報酬に結びつく仕事だからです。

例えば、生命保険や不動産などの高額な商品を営業する場合、契約に結びつけばそれだけ自分の報酬も高くなります。

自分の力を試したい人は、個人営業向きといえるでしょう。

個人営業の仕事をするには?

高卒で個人営業の仕事に就くなら、「保険」「不動産」「人材紹介」などの業界に就職するのがおすすめです。

なぜならこれらの業界は、未経験を幅広く採用しているからです。

試験は筆記試験や面接試験からなります。

特に重視されるのは面接です。

個人営業では、人柄や性格が重視されるからです。

面接では、おもにその会社を選んだ志望動機、自己PR、学生時代に取り組んできたことなどの質問がされます。

今後のキャリアプランも問われるので、具体的なキャリアプランをアピールできるよう準備しておくとよいでしょう。

具体的には、「個人営業を極め、営業を束ねる管理職や営業部門の人材育成などに就きたい」などの明確な目標です。

一貫したキャリアプランを明らかにしておくことで、面接官にも好印象を与えられます。

必要な資格

個人営業をするのに特別な資格はありませんが、持っておくとよい資格があります。

日本営業士会が行なう「営業士検定」です。

営業士検定とは、「営業の基礎知識」「マーケティングやマネジメント知識」「営業戦略知識」などのスキルを証明する資格です。

試験のレベルは、初級・上級・マスターの3種類があります。

試験は年2回あり、受験料は初級が8,800円、上級とマスターが13,200円です。

初級の受験資格は、特にありません。

上級の受験資格は「初級資格取得者および営業士会会員」、マスターの受験資格は、「上級資格取得者および営業士会会員」です。

試験方法は、すべての級でご自宅のパソコンを使うオンライン受験となります。

初級の受験資格は特にないので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

そのほかにも持っていると、営業の際に説得力を持たせることができる専門的な資格があります。

具体的には、保険会社なら「ファイナンシャルプランナー」、住宅会社なら「宅建」、人材派遣なら「中小企業診断士」などです。

また、営業は車で移動することが多いので、普通自動車免許は持っておいたほうがよいでしょう。

専門的な学校・学科はあるの?

個人営業に関する知識を学ぶなら、大学・短大・専門学校です。

大学なら経済学科や経営学科、短大・専門学校ならビジネス系の学校がおすすめとなります。

専門学校のなかには、販売技術や接客マナーの基礎を学んだり、プレゼンテーションや営業サービスの実習を行なったりするところもあります。

個人営業の年収・給与・収入

個人営業の平均年収は業界によって違いはあるものの、平均して430万円ほどです。

月収にすると約36万円ほどになります。

この年収は他の業界の平均値と比べると、やや低い金額です。

今後、より年収を上げるなら、まずは個人営業として実績を積みながらインセンティブ収入を増やしていくしかありません。

実績を積んだら、今より収入の良い業界に転職するのが賢い選択です。

個人営業よりあつかう商品の単価が高い、「法人営業」に挑戦するのも方法の一つです。

ある就職会社の調査では、実際に転職してから年収が上がった人は、全体の約60%というデータも出ています。

そのため、まずは新卒で入社し、実績を積んでから転職を考えるのがベストな方法といえます。

個人営業の社会のニーズ・将来性・まとめ

個人営業をはじめとした営業の仕事は、今後AIに奪われるといわれています。

しかし、今後も営業の仕事がなくなることはありません。

なぜなら、個人営業は、お客様との信頼関係により成り立っているからです。

AIに負けないためには、「気配り」や「心のこもった対応」など人間にしか出せない特長を前面に出していく必要があります。

そしてなによりも大切なことは、個人営業としてお客様の悩みを一緒になって解決していく姿勢です。

これから個人営業を目指すなら、コミュニケーションを通して人との信頼関係を築く力を養いましょう。

自分がもつ「人間味」を活かして、個人営業の仕事に挑戦してください。

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