将来新聞記者になって、世のなかに起きている出来事を記事にしたいと考えている高校生のみなさんも多いのではないでしょうか?
新聞記者は取材先に足を運び多くの生きた情報を仕入れて記事にする仕事です。
「新聞記者は高校を卒業してからすぐにはなれない?」
「大学で学ぶなら何を学べばいいの?」
この記事では、新聞記者のおもな仕事内容ややりがい、取っておくと役に立つ資格などについて紹介します。
この記事を見て、新聞記者の仕事のイメージづくりのお役に立てれば幸いです。
新聞記者の仕事
新聞記者は、国内や海外で起きるできごとを公平な立場で取材し、記事にする仕事です。
新聞社のなかには、政治部や経済部、社会部や生活情報部、スポーツ部などがあり、記者が担当分けされています。
また、新聞社のなかにも全国紙や地方紙、スポーツや食品などの専門分野をあつかう新聞記者もいます。
紙だけでなくインターネットやスマートフォンで記事が見られる電子版サービスも新聞社の仕事です。
新聞記者のおもな仕事は、大きく分けて3つあります。
1つめは、情報を集めることです。
まずは素早く、国内外で起きているできごとの「ネタ集め」をします。
生活者に生きた情報を届けるには鮮度が必要だからです。
そのため、常日頃から情報にアンテナをはっておくことも大事です。
2つめは、取材です。
情報収集したあとは、現場に足を運んで事実関係を明らかにしていきます。
あらゆる角度から情報を拾うようにしないと誤った情報を載せることになり、場合によっては大きな問題となってしまいます。
記者生命だけでなく周囲にも大きな迷惑をかけかねないので、細心の注意が必要です。
3つめは、記事の執筆です。
取材して得た情報は、すぐに執筆して記事にしなければなりません。
例えば政治や経済、事件などの重大な出来事は、素早く記事にしないと、他の新聞に乗り遅れてしまいます。
そのため、徹夜が続くこともあたり前です。
次に新聞記者のやりがいです。
やりがいはおもに2つあります。
①取材を通じて多くの人と出会える
取材を通じて多くの人と出会えるのは、新聞記者のやりがいです。
新聞記者はネタを集めるために、さまざまな場所に行きます。
取材先で人と話すことによって「気づき」や「発見」を与えられるのは、新鮮な体験です。
ときには厳しい意見を言われることもありますが、それも新聞記者としての成長につながるはずです。
②自分の調べた情報が記事になる
新聞記者は自分の調べた情報が記事になるのが、なんといってもやりがいです。
社会を動かすようなスクープ記事(特ダネ)を書けたときは、特に大きなやりがいとなります。
さらにそのスクープ記事が社会を動かすことになったなら、何ものにも代えがたい達成感を得られるでしょう。
次に新聞記者に向いている人の特徴です。
向いている人のタイプは4つあります。
①文章を書くのが好きな人
文章を書くのが好きな人は、新聞記者向きです。
新聞の文章は、さまざまな情報を読者にわかりやすく伝えることが必要だからです。
そのため、書くことが好きじゃないと、新聞記者は務まりません。
新人の頃は、上司や先輩に文章を大幅に直され大変な思いもしますが、文章を書くのが好きなら試練も乗り越えられるでしょう。
②正義感のある人
正義感のある人は、新聞記者向きです。
新聞記者は日常の理不尽な出来事や権力に屈することなく、声を上げ続ける姿勢が大切だからです。
そのため、あらゆる出来事に対する強い問題意識を持っている人は、新聞記者向きといえます。
③人と話すことが好きな人
人と話すことが好きな人は、新聞記者向きです。
取材で有益な情報を引き出すには、人とのコミュニケーションを通して良い関係を築いていくことが大事だからです。
とはいえ、単に話し好きということではなく、うまく情報を引き出すテクニックも必要です。
④体力のある人
新聞記者は体力が必要です。
担当する記事によっては、早朝から深夜まで取材対象を追い続けることもあるからです。
そのため、日頃から食事に気をつけたり、睡眠時間をうまく確保したりしながら体力をつけておくことが大事です。
新聞記者になるには?
新聞記者になるには、大学を卒業して新聞社の試験に合格する必要があります。
ほとんどの新聞社が、大卒者を募集する傾向にあるためです。
試験は、一般常識テスト・作文・論文などの筆記試験と面接になります。
一般常識テストでは、時事問題や漢字に関するテストが多い傾向です。
そのため、日々の新聞やニュースをチェックしたり、新聞に出てきた漢字を覚えたりという習慣を身につけておくことが大切です。
また、作文や論文テストでは、400字詰め原稿用紙2枚程度の文章が出題されます。
日頃から新聞記事やインターネットニュースを文章にまとめる訓練をしておきましょう。
次に面接です。
面接は大手だと、1次から3次までの面接を行なう会社が多いようです。
面接で聞かれる内容は、「志望動機」「その会社を選んだ理由」「記者を目指す思い」などです。
限られた時間内で面接官にアピールできるよう、事前に答えを想定して声に出して練習しておくと緊張しないで挑めます。
なかには圧迫面接を行なう会社もあるので、平常心で挑むことが大切です。
必要な資格
新聞記者になるための特別な資格はありませんが、持っておくと役に立つ資格はいくつかあります。
具体的には、3つです。
①ニュース時事能力検定
新聞記者になるには、時事問題や社会の流れをつかんでおく必要があります。
そのための能力を試す、日本ニュース時事能力検定協会により行なわれる検定試験です。
試験は、準2級を含む1級〜5級までの6つの級で構成され、各級45問を50分で解いていきます。
試験分野は、「政治」「経済」「社会・環境」「暮らし」「国際」の5分野からの出題です。
受験料は1級「6,900円」・2級「4,800円」・準2級「3,800円」・3級「3,300円」・4級「2,800円」・5級「2,700円」です。
高校生でも受験できるので、在学中に挑戦できます。
②日経TEST
日本経済新聞社により行なわれる、ビジネスの基礎知識を試す検定試験です。
新聞記者として、国内外の経済の流れなどビジネスの基本をつかんでおくことは大変重要です。
そのため、積極的に受けておくべき資格といえます。
試験は、「経営環境」「企業戦略」「生産・テクノロジー」「マーケティング・販売」「財務・会計」「法務・人事」の6つの分野から出題されます。
試験は、「テストセンター試験」「全国一斉試験(個人試験)」の2つの方法から受けることが可能です。
テストセンター試験は、全国約150ヵ所のパソコン教室や専門学校で受けられます。
全国一斉試験は、自宅のインターネット回線がつながったパソコンで受験することができます。
いずれも試験時間は80分、出題数は100問です。
受験料は、テストセンター試験が6,600円、全国一斉試験が5,500円となっています。
試験に合格・不合格はありませんが、平均して600点〜700点以上(上限1000点)を取っておけば、ビジネスの基本を身につけていると見なすことができます。
受験資格は、特にありません。
専門的な学校・学科はあるの?
新聞記者になるためには、大学で学ぶ必要があります。
しかし新聞記者だからといって文系の学科で学んでおくと有利ともいいきれません。
近ごろは、理系出身者の採用も増えているためです。
そのため、どの学科で学ぶにしても文章力を磨き、一般教養や専門分野の知識を身につけておくことの方が重要です。
新聞記者の年収・給与・収入
新聞記者の年収の平均は420万円ほどといわれています。
月収にすると35万円ほどです。
また、新卒の初任給は、20万円が相場です。
新聞社の規模にもよりますが、30代になると年収が約700万円、40代以上だと800万円以上になる傾向にあります。
より年収UPを希望するなら、経験を積み実力をつけて大手新聞社に転職するのも方法の一つです。
実力をつけて大手新聞社のキャップ(リーダー)やデスク(原稿チェック)の仕事に就けば、1,000万円以上の収入を得ることも夢ではありません。
新聞記者の社会のニーズ・将来性・まとめ
新聞の発行部数は年々減少しています。
日本新聞協会によれば、新聞の発行部数は2022年10月の一般紙とスポーツ紙の合計部数は3,084万部との結果が出ています。
2021年の3,302万部と比べても、200万部もの減少です。
この減少はスマートフォンで情報を調べる人が増えたことにより、新聞を読まなくなったことが原因です。
とはいえ、新聞がなくなることはないでしょう。
新聞はインターネットの情報にはない正確な情報(一次情報)を載せている媒体だからです。
これは、新聞記者が地道に足を運んで取材を重ねることによってしか得られない情報です。
また、普段触れることのない情報を得られる「新聞の意外性」を好む人が根強くいることも、新聞がなくならない理由の一つです。
このようなことから、新聞を求める人はなくならないといえます。
これからの新聞記者は、インターネットでは簡単に得られない情報をつかみとり、鋭い視点で記事にする個性的な人が求められています。
一般常識をもちながらも、常に独自の切り口で言葉にする能力を磨き続けましょう。
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