幼稚園教諭

幼稚園教諭は、おもに3歳から小学校にあがるまでの年齢の子どもが通う幼稚園にて、生活全般をとおして幼児の心身の発達を促すサポートをする仕事です。幼稚園は学校教育法に規定されている正規の学校として認定されており、小学校や中学校と同じ扱いとなっています。

幼稚園は幼児期の創造力を高めるとともに社会性や協調性を養うことで、義務教育やその後の教育の基礎をつくる大きな役割を担っています。小学校や中学校のように教科別ではなく、砂場や積み木などのさまざまな遊びを通して人との関わりを指導するとともに、生きるための基本的な能力を育てることが幼稚園教諭の仕事です。

幼稚園教諭の仕事

幼稚園教諭の仕事は、幼稚園内での生活を通して子どもたちに社会生活に必要な決まりを教えることです。幼児の心身の発達を促すとともに、創造力を高めたり協調性を養ったりすることが大きな目的で、幼稚園教諭はそれをサポートをする重要な役割といえるでしょう。

文部科学省によると、幼稚園は3歳以上の幼児を対象に、小学校以降の基盤を培う学校教育の始まりとされています。幼稚園教育要領に沿った教育課程が編成され、幼児期の発達に合わせた活動が幼稚園教育の基礎となります。

勤務する幼稚園によって学習のカリキュラムが異なりますが、幼稚園教諭の仕事は園児の日常的なお世話や遊びの提供、知育学習がメインです。遊びを通した指導のほか、トイレや食事のお世話、お着替えなど生活に必要なことを指導します。

また、お遊戯や工作、文字の読み書きなど日常の遊びや教育のほかに、独自のカリキュラムを取り入れている幼稚園も増えています。

  • 英語
  • リトミック
  • 体操
  • スイミング
  • 絵画

英語やリトミック、体操などは外部講師を招いて取り組んでいる幼稚園も多いですが、日常的に行なうお遊戯や歌、手遊びなどは幼稚園教諭が担当します。遠足や発表会、運動会などの行事の計画も重要な仕事です。

また、幼稚園教育要領では一日の教育時間が4時間と定められています。そのため、朝9時に登園し、13時から14時頃には降園する幼稚園がほとんどです。園児が登園したら健康観察をするところから一日が始まります。園児の発達に合わせたサポートが必要なケースもあるため、園児を観察する細やかな気配りができることもポイントです。

子どもたちの相手をするのは9時頃から14時頃の4~5時間ほどですが、園児が降園したあとは事務的な業務をこなします。日誌の記入や行事の準備、教材の管理や教室の装飾のほか、職員会議の出席も業務の一つです。園内の掃除やおもちゃの消毒も、園児が安心して過ごすために必要な仕事といえるでしょう。

また、共働き世帯が増えたことにより、最近では早朝保育や延長保育を行なっている幼稚園が増えてきています。当番制ではありますが、朝7時からの早番や夕方6時までの遅番など、通常の保育時間前後の勤務が必要な場合もあります。バスを運行している幼稚園では、バスの引率も幼稚園教諭の仕事です。

幼稚園教諭は、大切な子どもを預かる責任のある職業です。園児が降園するまでは一瞬も気を抜けないため、体力的にも精神的にも重労働といえるでしょう。大変な仕事ではありますが、子どもの成長を近くで見られるやりがいや達成感を感じられる仕事です。

幼稚園教諭になるには?

幼稚園教諭になるためには、幼稚園教諭免許状が取得できる短大・大学・大学院に通う必要があります。各学校で必要な単位を修了し、卒業することで幼稚園教諭免許状を取得できます。

幼稚園教諭免許状は、一種・二種・専修の3種類がありますが、免許状の種類によって仕事内容に違いはありません。ただし、将来園長として働きたいと考えている場合、二種免許状では園長になれないため注意が必要です。園長を目指す場合は一種免許状を取得しましょう。

それぞれの学校を卒業し免許状を取得したあとは、実際に仕事に就くために市区町村などが実施する選考試験の合格が必須です。選考試験に合格すると採用候補者名簿に登載されますが、その後は各幼稚園の採用試験を受け合格することで初めて幼稚園教諭としての一歩を踏み出します。

必要な資格

幼稚園教諭として働くには、幼稚園教諭免許状の取得が必須です。免許状には3種類あり、卒業した学校によって取得できる種類が異なります。

一種は幼稚園教諭養成課程を学べる大学を卒業することで取得可能です。二種はおもに短大を卒業することで取得できます。専修免許状に関しては、大学院にて修士課程を修了することで取得可能です。

幼稚園教諭の資格は保育士資格と混同されやすいですが、保育士資格では幼稚園での勤務はできません。学校によっては幼稚園教諭免許状と保育士資格を同時に取得できるところもあります。

専門的な学校・学科はあるの?

幼稚園教諭を目指す人の多くは、幼稚園教諭養成課程を学べる大学や短大、専門学校に通います。どの学校に通っても幼稚園教諭免許状を取得できることに変わりはありませんが、卒業した学校によって免許状の種類が異なるため、将来を考えたうえで通う学校を選ぶとよいでしょう。

保育実習に力を入れていたり歌やピアノの時間を多く取ったり、なかには海外研修を取り入れて英語力を高められる学校も増えているようです。何をどのように学べるかは学校によって大きく異なるため、学べる科目や開講されるゼミの内容をチェックしておくことをおすすめします。

また、学校によっては幼稚園教諭と関連する資格である、保育士資格や小学校教諭の免許を取得できるケースもあります。

幼稚園教諭の年収・給与・収入

厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「jobtag」によると、幼稚園教諭のハローワーク月額求人賃金は20.9万円、平均年収は386.6万円です。日本国民の平均年収に比べるとやや低い傾向にありますが、近年幼稚園教諭の働き方や給与について見なおしが必要との意見も多く、今後の給与アップが期待されています。

正規の職員として幼稚園で働くケースが多いようですが、パートやアルバイト、派遣社員として働いている幼稚園教諭も少なくありません。パートやアルバイトの場合は4~5時間と勤務時間が短いため、正規職員よりもさらに収入は減る傾向です。

また、基本給のほかに、ボーナスや残業手当、通勤手当などが支給されることもあります。ただし、給与をはじめ各種手当については、勤務する幼稚園の規模や経営状況によって支給に差が生じます。特に人気のある幼稚園では人材確保のために、周辺の幼稚園よりも良い待遇で求人を出しているケースもあるでしょう。

研修や講習会に参加し、知識と経験を増やすことも昇給につながる可能性が高いです。意欲的な学びは、昇給だけでなく幼稚園教諭としてのスキルアップにもつながります。

幼稚園教諭の社会のニーズ・将来性・まとめ

近年少子化が進み、幼稚園の定員が割れたり経営不振になったりと、幼稚園の数が減少しているといわれています。しかし少子化とされる一方で、共働き世帯の増加や幼児教育の重要性を感じている保護者が増えていることから、幼稚園教諭の需要はますます高まると予想されます。幼稚園教諭の人手不足も深刻化している点も、ニーズを高めている理由の一つです。

また、2006年から認定こども園が始まったことで、幼稚園を含む保育の多様化が進んでいます。認定こども園では幼稚園教諭の資格だけでなく、保育士の資格も必要です。保育の多様化に合わせた資格取得のほか、新たな知識や経験を積むことで、就職先の選択肢を増やせます。

幼稚園教諭は子どもが好きなのはもちろん、活発な子どもに対応できる体力や対応力も求められます。子どもとともに成長できる、やりがいのある仕事といえるでしょう。

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