シェフ

料理に興味のある高校生のなかには、卒業したら経験を積んでシェフになりたいと思っている人も多いのではないでしょうか。

シェフは料理人の世界で、「総料理長」のことです。

調理場の主任でありリーダーであるため、料理のセンスが問われる仕事となります。

その職場はホテルやレストラン、専門料理店などさまざまです。

この記事では、シェフの仕事やなり方、必要な資格や通うべき学校、年収などについて紹介します。

この記事を読んで、シェフとはどのような仕事なのかをイメージするお役に立てたら幸いです。

シェフの仕事

シェフは洋食レストランやホテルなどの調理場でリーダーとして、料理人への指示を出す仕事です。フランス料理の「シェフ・ド・キュイジーヌ」から名付けられました。

イタリア料理では「カポクオーコ」(女性はカポクオーカ)と呼びます。

シェフのおもな仕事は、主に4つです。

1つめは、「ランチやディナーのコース」「季節の料理」「一品料理」などのお店のメニューを決めることです。

その土地ならではの食材を使ってみたり、季節の旬を取り入れてみたり試行錯誤しながら、メニューを決めていきます。

お客様を満足させるための盛り付けの華やかさを演出したり、料理のバランスを整えたりすることも重要です。

2つめは、食材の仕入れです。

お店のコストと照らし合わせながら、食材の質やお店で提供する量を決めていきます。

ときには、市場に自ら足を運んで食材を見極めることもあります。

3つめは、料理の進行管理や味付けのチェックです。

料理人がそれぞれ担当する料理の進み具合を常に見ながら、臨機応変に指示を出し、味付けのチェックまでを行ないます。

料理の不具合など、調理中のトラブルが起きたときにも、慌てず冷静に対応する平常心も必要です。

4つめはお店のマネジメント業務です。

スタッフを適切なポジションに配置しお客様に料理をスムーズに提供する、よりよいチーム体制づくりを行なうことが求められます。

シェフに向いている人には、3つの適性があります。

1つめは料理が好きということです。

総料理長として、「お店の新しいメニューの開発」や「盛り付けや味付けのチェック」をし続けなければいけないためです。

それだけではありません。職場以外でも常に料理のことを考え続けることが大切です。

日々変化する料理の新しい知識や情報、技術を学んでアップデートしていかなければなりません。

そのための探求心も必要になるでしょう。

2つめは忍耐力になります。

シェフになる前に、まずは料理人としての長い下積み経験が必要になるからです。

はじめのうちはしばらくの間、皿洗いや掃除、食材の買い出しなどの雑用的な仕事からはじめるため、料理すらつくれない可能性もあります。

また、上下関係が厳しく、先輩料理人から理不尽な理由で叱られることも多々あります。

そのような状況に耐える忍耐力が必要です。

3つめは体力です。

シェフは料理人を監督しながら、厨房に立ち続ける仕事だからです。

拘束時間が長い料理店の世界では、体力がなければ勤まりません。

下積み時代には先輩料理人の指示のもとで、肉や野菜を切り続けたり、重いフライパンを持ち続けることも多くあります。

シェフになる前に体調を崩して断念しては元も子もないので、体調管理をしながら体力をつけることが大切です。

シェフのやりがいは3つあります。

まず1つめは、お客様の「おいしい」という反応です。

自分が試行錯誤を重ねて考えたメニューが実際に評価されることは、このうえない喜びを感じられます。

2つめは、お店のオリジナルメニューを考えられることです。

自分が料理で表現したいことを形にできるのは、大きなやりがいとなります。

3つめは、世間に認められることです。

「器の選び方」「素材選び」「盛り付け方法」などにこだわって仕事をし続けていけば世間的に認められ、シェフ個人の価値も高まります。

それがきっかけとなって、世界的に有名なお店で働けるようになるかもしれませんし、自分のお店を持つことになるかもしれません。

シェフになるには?

ここではシェフになる方法を紹介します。

シェフになるには、大きく分けて2つの方法があります。

1つめは、洋食レストランやホテルの求人に応募して料理人として働く方法です。

まずは、料理人として実績を積んでから「スーシェフ」に昇格し、シェフを目指すというのが一般的なキャリアの流れとなります。

スーシェフとは、シェフを補佐する副料理長のことです。

シェフは主に料理の進行管理や味付けのチェックをしますが、スーシェフは実際に料理をしながら料理人に指示を出したり、シェフがいないときに代わりに指揮を執ったりします。

面接では、一般的な面接のように志望動機や長所・短所、学生時代に頑張って取り組んだことを聞かれます。

「どうして飲食業界を目指したいと思ったか」や「仕事で大事なこと」「将来独立したいか」なども聞かれるため、事前に答えを用意しておきましょう。

2つめは専門学校や短大で、料理に関する基礎的な知識や技術を学ぶ方法です。

講師に有名なお店で働いたことのある一流シェフがいる学校もあるため、直接話を聞いてプロの心得を学べるのはメリットです。

金銭的な負担があるのは難点ですが、同じ志を持つ仲間に出会えるのは貴重な体験となるでしょう。

必要な資格

まず料理人として働き始める場合、調理師免許は必ずしも必要ではありませんが、国家資格でもあるため取っておくと有利です。

料理人として働いた経験がなくても、「最低限の専門的な食の知識」や「調理技術」を持っているとみなされるからです。

シェフになってからも取っておくと役に立つ資格があります。

具体的な資格は2つです。

1つめは食品衛生責任者です。

シェフとして独立したときに役に立ちます。

各自治体で開かれる講習会に一日参加して、「食品衛生学」「公衆衛生学」「食品衛生法」などについて学び、小テストに合格し修了することで取得可能です。

会場に通って参加する方法と、Web上のeラーニング形式で受講する方法があります。

受講料は、教材費を含めて1万2,000円です。

もう1つは、専門調理師・調理技能士です。

持っていると、シェフの立場で働くときに有利となります。

調理技術技能センターの「調理技術技能評価試験」に合格することが条件です。

試験は前・後期の実技試験、学科試験からなります。

実技試験は「すし料理」「中国料理」「給食用特殊料理」が前期試験、「日本料理」「西洋料理」「麺料理」が後期試験です。

学科試験では、食品衛生および公衆衛生に関する問題や調理法などの問題が出題されます。

受験料は、実技試験と学科試験合わせて3万7,800円です。

実務経験者は、実務経験8年以上(そのうち調理師免許所持3年以上)が受験資格となっているため、仕事をしながら資格取得を目指せばモチベーションも上がります。

専門的な学校・学科はあるの?

シェフになるための専門的な学校や学科には、調理師の専門学校があげられます。

シェフに必要な経営のノウハウを学ぶ学科や西洋料理・日本料理・中国料理などの知識や技術を学ぶ学科などがあります。

専門学校の学費ですが、2年制の学校を例に取ると、合計で約240万円〜400万円ほどです。

数年前からは、経済的な理由で学ぶことができない学生を対象にした、返済不要の給付奨学金制度もあるため、うまく活用してみることをおすすめします。

シェフの年収・給与・収入

シェフの収入は、年収で約390万円ほどです。月収に直すと約30万円ほどになります。

初任給は20万円程度のところが多いようです。

洋食担当やオープニングスタッフに限れば、年収が400万円を超えるというデータもありますが、ほかの職業と比べて全体的に低い収入といえます。

ただ、人気店で評判のシェフになるか、オーナーシェフとして自分の店を持つことができれば、収入を上げることも可能です。

かなりの努力が必要になりますが、目指す目標が高いほど頑張れるはずです。

そのほかにも、副業として出張料理サービスをしたり、TwitterやInstagramなどのSNSを活用してシェフの知名度を上げたりする方法もあります。

実力とアイデア次第では道が開ける可能性もあるため、挑戦するべきです。

シェフの社会のニーズ・将来性・まとめ

独自のメニューを考え、目でも味でも料理を楽しませるシェフの仕事には、夢があります。

しかし、現代は味はもちろん、どのような食材を使って料理を提供しているかも問われる時代です。

これから一人前のシェフとして活躍したいと思うならば、食に対する消費者の要求に応えて「味だけではない新たな価値」を提供する必要があります。

そのためには、いままでのような店舗での食の提供だけではなく、「出張料理サービス」や「SNSの活用」などを通して、ピンポイントでお客様の要望を叶える姿勢が大事です。

近年では、30代〜40代の比較的若い世代でもシェフとして活躍する場が増えています。

従来の何年も修行を重ねてやっと「一人前」と呼ばれる風潮も薄れてきているため、アイデアと実力次第で若手シェフとして活躍できる場は広がっています。

食への絶えまない情熱があれば、シェフは目指すべき素晴らしい職業といえるでしょう。

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