京都の着物文化を支えよう!着物業界の現状・今後、また着物にまつわる仕事を紹介!

京都と聞いて、「着物」をイメージする方も多いでしょう。

事実、京都の着物文化の歴史は古く、今でも老舗の呉服店をはじめ、着物にまつわるお仕事がたくさん残っています。

一方、経済的な観点から俯瞰した場合、近年の着物業界はどのような状況なのでしょうか。

本記事では、京都と着物、そして着物業界の今と今後、さらに着物にまつわるお仕事をまとめました。

着物業界に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

京都と聞いて、「着物」をイメージする方も多いでしょう。

事実、京都の着物文化の歴史は古く、今でも老舗の呉服店をはじめ、着物にまつわるお仕事がたくさん残っています。

一方、経済的な観点から俯瞰した場合、近年の着物業界はどのような状況なのでしょうか。

本記事では、京都と着物、そして着物業界の今と今後、さらに着物にまつわるお仕事をまとめました。

着物業界に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

京都と着物

京都と着物の関係について下記の内容にまとめました。

  • 着物の歴史
  • 京都と着物

それぞれ解説します。

着物の歴史

着物は日本が誇る伝統文化のひとつです。

着物の歴史は縄文時代の巻布衣、貫頭衣に始まるといわれるほど古く、平安時代から室町時代、桃山時代、江戸時代と歴史に合わせた形で進化を遂げてきました。

そもそも、「着物」という言葉は「着るもの」といった形で桃山時代から呼ばれるようになったと言われており、明治時代に「着物=和装」といった形で認識されるようになったと言われています。

日本の生活様式が西洋化していく中で着物を着用する機会が減少していますが、「kimono」として海外からも注目されるほか、アンティーク着物のリメイクなど今もなお日本にとって欠かすことができない、無形文化遺産のひとつとして存在しています。

京都と着物

京都で着物文化が栄えるきっかけとなったのが、平安京が遷都です。

「織部司」と呼ばれる絹織物技術を受け継ぐ工人が役所のもとに組織されたことで、貴族向けのさまざまな着物の製造が行われます。

鎌倉時代に入ると職人たちは大舎人町に集まり、大陸より伝来した技術を踏襲する形で着物を生産し続けました。

応仁の乱の頃、職人は各地に散らばるもののその後、京都に戻った職人たちは西軍の陣地跡で織物業を再開。

この場所は「西陣」と呼ばれ、ここから西陣織の歴史も始まりました。江戸時代の小袖文化の到来により、華やかな装飾を施した帯などが登場し、京都は着物の街として栄えます。

さらに庶民も着物を着用できるようになると三井越後屋などの大店が登場し、生産拠点である京都を本拠地に。

その後も尾形光琳や竹内栖鳳、堂本印象など京都を代表する絵師が友禅の下絵を手掛けるなどしたことにより京都の着物が大流行。

着物文化の発展に尽力し続けたこと、自然との共存、歴史と文化を重視する京都だからこそ、着物の中心地として栄え続けてきたのです。

さらに、京都でも有職織物や友禅、刺繍などの技術は重要無形文化財となっており、それらに精通する人物は人間国宝と称される重要無形文化財保持者に認定されている人物が多くいます。

  • 西陣織
  • 京鹿の子絞
  • 京友禅
  • 京小紋
  • 京足袋

これら伝統産業も数多く存在する京都は、まさに日本が誇る着物の中心地です。

着物業界について

京都では、冠婚葬祭や華道、茶道、稽古事、ちょっとしたお出かけ時など、幅広いシチュエーションで着物が着用されています。

そのため、着物業界も盛り上がりを見せているといったイメージを持つ方もいるかもしれません。

しかし、現状日本全体で見ると着物業界は厳しい状況に置かれていると言われており、さまざまな施策を業界全体で模索している状態です。

下記にて、着物業界の現状と今後の展開について解説していきます。

着物業界の現状

着物業界の現状は、決して楽観視できるものではありません。

1980年代には売上2兆円市場とまで言われていた着物業界ですが、年々その売上は減少傾向にあり、2021年には約2,300億円と売上高は急落しています。

とくに感染症における多大な影響から、2020年に着物大手をはじめとした企業の売上が減少し、事業存続が難しくなった業者も多かったと言われるほどです。

ただし、2020年を底として2021年からは少しずつ売上も回復しており、観光やインバウンド需要の復活により今後さらに売上高が伸長していくと考えられています。

また、夏祭りや着物を着用しやすいイベントの再開など、より着物への注目が集まる可能性があるでしょう。

着物業界の今後

着物業界は斜陽産業と厳しい評価をする方もいます。

ピーク時と比較すれば確実に売上や需要は減少していますが、一方でテクノロジーの変化をはじめ、着物の新しい楽しみ方を打ち出す企業も増加傾向にあるなど、今後大変ユニークな業界になっていくといった見方もあるようです。

例えば、着物の購入額は減少傾向にあるものの、着物レンタルの売上高は伸びを見せています。

着物を購入するといった形ではなく、消費者の多くが「レンタルする」といった方向性になっていることがわかるでしょう。

また、着物の購入者やレンタルをする層は40代以上がメインであり、若年層へのアプローチが足りないと業界全体が考えています。

SNSなどを活用したデジタルマーケティングをはじめ、インフルエンサーやアニメなど、異業種などとのコラボレーションで着物を身近に感じてもらう施策も数多く見受けられるようになりました。

ARによる情報提供、3Dプリンターによる道具製作やデザインなど、着物製造そのものに革新的なテクノロジーを利用し始めている例も見られます。

そして、海外への発信も大きなビジネスチャンス。インバウンド需要が戻りつつある今、外国人向けの着物ビジネスも激化していくでしょう。

呉服店は100%待ちの姿勢で、着物を知る高齢者が必要な時だけお店に顔を見せる旧態依然の売り方では先がないと着物業界は理解しています。

全く新しい着物文化の創出が早急に求められているのです。

着物にまつわる仕事

着物業界、そして京都の着物文化を盛り上げていくのは、着物にまつわる仕事をしている着物のプロたちの存在です。

着物業界に飛び込み、その魅力を世界中の人々に伝えたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

ここからは、簡単に着物にまつわる仕事を紹介します。

着付け師・きものアドバイザー

着物を着付ける仕事をする方を、着付け師と呼びます。

主に成人式や結婚式などで和装をする際、着付けを行う方をこう呼びます。

美容院や写真館、呉服店などに従事している方が着付け師として活躍していますが、免状が存在しており、それを取得することで自由に着付けを行うことができるでしょう。

さらに自宅で着付け教室も開催できるなど、着物文化を気軽に伝承していくことができます。

また、個人に向けて似合う着物を選ぶきものアドバイザーという仕事もあります。

スタイリストのように芸能人や撮影用に着物を選ぶ場合もあれば、貸衣装屋や和装販売店で勤務するなど活躍の場も少なくありません。

和裁士・染色家

着物、和風を自ら仕立てたいという方は和裁士を目指すのも良いでしょう。

新しい着物を製造する着物メーカーをはじめ、和服仕立て所と呼ばれる職場で働くことが可能になります。

当然、自らがフリーランスとなったり、着物の新しいブランドを立ち上げることも可能でしょう。また、反物の柄をデザインしたいといった方は、染色家を目指してみてもよいでしょう。

友禅染めなど、伝統的な染め方を学ぶことになり、高い技術が求められる難関です。

ただし、海外でもこの伝統技術が高く評価・注目されることから、着物文化の発展には欠かすことができない存在と言えるでしょう。

そのほかの着物にまつわる仕事

ほか、老舗の着物メーカーの社員として働く、落語家や茶道、華道などの講師になるなど、「着物にまつわる仕事」は日本には数多く存在しています。

とくに京都は着物メーカーや貸衣装店なども多く、着物を着用できる仕事も豊富です。

着物文化を広めていく一人になりたいと考えている方は、ぜひこれら仕事に興味を持ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

京都は着物文化の中心地であり、今もなお多くの人たちが着物にまつわる仕事をしています。

着物業界は厳しいと言われながらも、近年また回復傾向にあり、インバウンドの復活や新しいサービスなどにより盛り上がりを見せている状況です。

自分も着物業界の発展に寄与したい。

そう考えている方は、ぜひ着物にまつわる仕事に従事してみてはいかがでしょうか。

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