プログラマーとは、システムエンジニアがつくった設計図をもとに、「プログラミング言語」というコンピューターを動かすための言語を使ってシステムやソフトウェアを開発する「プログラミング」を行なう仕事です。
物流システムや金融システムといった企業が使用するシステムのほか、テレビやスマートフォン、動画やゲームのスマートフォンのアプリケーションなど、身のまわりのあらゆる場所でプログラムが活用されています。
プログラマーの仕事
プログラマーの基本的な業務内容は、システムエンジニア(SE)が設計した仕様書に沿って、システムが作動するように「コード」という命令文を書くことです。
これを「プログラミング」といい、コードにはJavaScriptやC言語などのさまざまなプログラミング言語が使用されますが、シンプルなコードをミスなく書くことが求められます。書いたコードにミスがあると、プログラム自体が動かなかったり、誤作動を起こす可能性があります。
プログラミング言語によっては、確実性やコンピューターへの命令速度が異なるので、開発するシステムに対しどのプログラミング言語が適切であるかを見極める必要があります。
多くの場合、ミスや漏れが見つかり、プログラミングとテストを繰り返しますが、実際に使ってみて初めてバグが見つかる場合もあります。そのため、クライアントに納品してからも保守作業としてプログラムの修正を続けることがあります。
プログラマーが活躍できる分野
・WEB系:ショッピングサイトやデータベースの構築など
・組み込み、制御系:電子レンジや炊飯器などの家電製品、テレビやスマートフォンなどの機械を制御するプログラムなど
・パッケージアプリケーション系:パソコンで使用するアプリケーションなど
・社内システム系:自社システムの構築や運用
・設備制御系:交通機関、工場、研究室などの設備に関する制御
・オープン、オンライン系:WEB関連のシステム開発、サーバーシステムの構築
・汎用系:クレジットカード、金融機関のシステムに使用されるメインフレーム開発など
・通信系:ルーター、モデムなどのネットワーク機器のプログラム
プログラマーとしての活躍の場はとても広く、同じプログラマーでも扱う分野やメインで使用するプログラミング言語も異なります。企業によっては複数の分野にまたがり対応することもあります。
プログラマーになるには?
高い専門性が求められるプログラマーですが、未経験を採用する企業も多数あり、未経験からスタートすることも十分可能な職業です。
会社によっては、数ヵ月から半年の研修があるケースや先輩社員が指導係として教えるケースもあります。
・新卒の場合
プログラマーへの近道は、新卒から企業に入社することです。通常、企業の新卒採用は一斉に募集がかかり採用活動が行なわれますが、採用枠が数十から数百に対して応募者数が数千から数万という高い競争率となっています。
例年、3月から会社説明会が開催され、6月から面接や選考、翌年3月までに内定の流れになります。
・第二新卒の場合
第二新卒の採用を行なう企業も増加傾向にあり、入社のチャンスは十分にあります。しかし、有名企業の場合、新卒採用で新入社員の確保ができてしまうので、第二新卒で有名企業のプログラマーになるには難易度が高くなります。
企業が第二新卒者に求めるのは、「社会人としての経験」と「将来性」です。
第二新卒者の場合、一度は企業に就職をしているため社会人としての常識やマナーの基礎を身につけています。そのため、教育の費用軽減や将来性が期待できることが第二新卒者採用のメリットであり、アピールポイントでもあります。
必要な資格
プログラマーを目指すうえで資格は必須ではありません。企業から採用される、あるいはクライアントから仕事をうけることができればプログラマーとして働けます。
しかし、プログラム関連の資格を取得することで能力を可視化することができます。資格をもつことにより、その資格の基準を満たす能力を備えていることが証明できます。
特に実務経験がない未経験者の場合は、資格があることによって就職・転職に有利になります。
資格を保有していれば、採用する側の企業やクライアントも任せられる仕事を判断しやすくなり、採用される可能性は高くなります。
プログラマー全般におすすめな資格
・基本情報技術者試験(FE):経済産業省によって実施される国家試験のひとつで、多くのITエンジニアが取得している最も基本的な知識・技能が問われる資格です。
・ITパスポート:IT系技術者の基礎的な国家資格です。プログラマーに必須の資格ではありませんが、より上級の国家資格取得への第一歩でもあります。
・C言語プログラミング能力認定試験:C言語に特化したプログラミング能力を示すうえで重要視される民間の資格です。この資格を取得する過程でプログラミングの実践経験を養えるメリットもあります。
専門的な学校・学科はあるの?
・大学に進学する場合
情報工学科:プログラム作成を中心に学ぶことができ、IT知識を身につけたい方におすすめです。
機械工学科:ロボットや家電などを制作するため、工学を広く学習することができます。
電気工学科:半導体について学習できるので、スマートフォンなどのデバイスについての知識を深めることができます。
また、採用条件を大卒としている企業も増えてきているので、大学に進学した場合就職に有利となる可能性があります。
・専門学校に進学する場合
学問ではなく「職業訓練」のようなフローで、実務に近い専門的なカリキュラムが組まれています。卒業後にも実務で使えるような知識を修得できます。
また、専門学校のなかには、就職保証制度を設けているところも存在します。例えば、就職が決まらなかった場合、その後2年間の学費を学校が負担してくれるなどの制度です。
プログラマーの年収・給与・収入
プログラマーは能力主義の傾向が強い職業です。企業に長く勤めることで、年功序列型の給与体系になることはありますが、経験やスキルレベルの高さが年収に大きく影響する場合が多いです。
プログラマーの収入(2023年度求人ボックス)
初任給:約20万円
平均月給:約36万円
平均年収:約433万円
プログラマーの社会のニーズ・将来性・まとめ
近年、コンピューターの技術革新は目覚ましく、システムの専門化も進んでおり、専門分野に応じた高度な知識をもつ優秀なプログラマーが多く求められています。
次々と新しく高度な技術が生まれていくなかで、プログラマーとして新しい技術や情報に対して敏感に対応し、クリエイティブにプログラムを作り出す力を身につけることが大切です。
プログラマーのキャリアステップは、システムエンジニア(SE)、プロジェクトリーダー(PL)、プロジェクトマネージャー(PM)など、マネジメント側へ昇進していく道とマネジメント側へ移行せずにスーパーエンジニアとして専門性を極める道があります。
また、実務経験を活かしてフリーランスになる道もあり、一般的な会社員のワークスタイルにとらわれず、自由に仕事をする将来が見据えられることは、プログラマーの大きな魅力です。
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