ネイルアーティストとはお客様の爪をきれいにケアしたり、デザインを施したりして美しく見せる仕事です。ネイルアーティストとは和製英語であり、海外ではマニキュアリストと呼ばれています。
日本では、1985年に日本ネイリスト協会が設立され、ネイルアーティストの民間資格が取得できるようになりました。海外文化の影響を受けて、日本国内でも徐々にネイル文化が浸透してきたのです。
最近では、おしゃれのためはもちろんのこと、自爪を保護するためにジェルネイルを施す人も増えてきていることから、さらなる業界の発展が期待されています。
ネイルアーティストの仕事
ネイルアーティストのおもな仕事は大きく分けて次の3つに分類されます。
▽ネイルアーティストの業務内容
ネイルケア | 自爪の長さを整えたうえで、爪の表面を磨いたり甘皮などを処理したりして、自爪を健康的で美しい状態にする仕事 |
ネイルカラー | 爪にマニキュアやジェルネイルなどをして、美しくカラーリングする仕事 |
ネイルアート | カラーリングした爪にアクリルカラーやジェル、ラインストーンなどで美しくデコレーションする仕事 |
ネイルアーティストの仕事は、ネイルカラーやネイルアートがおもな仕事と思われがちですが、自爪を美しくお手入れするネイルケアも重要な仕事の一つです。ネイルケアをしっかりと施さないと、その後のネイルカラーやネイルアートが上手に仕上がりません。
上記の施術のほかに、お客様とのカウンセリング業務や接客も重要な仕事です。さらに、最近では新しいネイル技術がどんどん生まれているため、最新のネイル技術の習得もネイルアーティストとして活躍するために必要な業務といえるでしょう。
ネイルアーティストになるには?
ネイルアーティストになるためにはいくつかのパターンがありますが、基本的な流れは次のとおりです。
①ネイルの知識や技術を習得する
未経験で採用しているネイルサロンもありますが、ほとんどの店舗で即戦力として活躍できる人材を求めています。そのため、ネイルアーティストとして活躍するための知識やスキルを最小限習得しておく必要があります。
ネイルアーティストに関する知識を学べる専門学校やスクールに通って、実技のスキルと教養を学ぶケースが一般的です。
②ネイルアーティストの資格を取得する
ネイルアーティストになるために資格の取得は必須ではありません。ただし、資格取得者であれば就職先を見つける際も非常に有利になりますし、お客様に対しても技術力を証明できるなどのメリットがあります。
記事の後半では、ネイルアーティストになる際に取得すべき資格をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
③ネイルサロンに就職
サロンに就職せずに最初からサロンを開業するパターンもありますが、ほとんどの方が一度はサロンスタッフとして就職し、現場での実務を経験します。ネイルアーティストとしてのスキルはもちろん、接客や仕事のやり方などを一通り身につけたあとに次のキャリアについて考えるのがおすすめです。
ネイルサロンでの勤務を経験することで、独立以外にも美容系メーカーへの就職やネイルスクールの講師など幅広いキャリアから最適な仕事を選択できるでしょう。
必要な資格
ネイルアーティストには、いくつかの民間資格があります。代表的な資格は次の3つです。
▽ネイルアーティストになるために取得すべき資格
- JNECネイリスト技能検定
- JNAジェルネイル技能検定
- IーNAILーAジェルネイル技能検定試験
ネイルアーティストとして活躍するためには、以下の資格を取得しておくと就職する際に有利に働くでしょう。
- JNECネイリスト技能検定 2級以上
- JNAジェルネイル技能検定 中級以上
ネイル検定に合格するためには、高い技術力はもちろんのこと、道具選びもとても大切です。それぞれの検定に対応した専門機材やアイテムを用意しておきましょう。
専門的な学校・学科はあるの?
ネイルアーティストになるための学校はいくつか存在します。そこでここからは、ネイルに関する専門知識を学べる学校をはじめ、ネイルアーティストになるための勉強方法についてご紹介しましょう。
①美容専門学校に通う
高校卒業後などに美容専門学校のネイルコースを履修し、ネイルアーティストになるために教養や技能を学ぶ方法です。
▽美容専門学校でネイルアーティストを目指すメリット
- 美容に関する知識を総合的に学べる
- 他の美容家の仕事へ進路変更しやすい
- 検定試験対策や就職サポートを受けられる
- 就職で有利に働くケースも多い
- 同じ目標を持つ仲間と知り合える
▽美容専門学校でネイルアーティストの勉強をするデメリット
- 学費が高額になりがち
- 最低2年以上の通学が必要
多くの専門学校では、ネイルだけでなくその他の美容関連の知識を総合的に学べます。そのため、卒業後の進路としてネイルアーティストだけでなく、エステティシャンやスタイリストなどの道を選択することもできるでしょう。
昼間課程だけでなく、夜間課程や通信課程もあるため、生活スタイルによって履修スタイルが選べるのも大きなメリットです。
ただし、美容専門学校に通う場合は卒業までに150〜300万円程度のまとまった学費が必要です。さらに、最低でも2年以上履修しなければ卒業できないため、短期間でネイルアーティストを目指す方にはおすすめできません。
②ネイルスクールに通う
ネイルアーティストとして活躍する方の多くが、ネイルスクールで学んでいます。ネイルスクールは、ネイルアーティストになるための知識や技能習得に特化しているため、短期間に効率よく学びたい方におすすめの方法です。
▽ネイルスクールでネイルアーティストを目指すメリット
- ネイルに関する知識や技能を短期間で効率よく学べる
- 時間の調整がしやすく、働きながらでもスクーリングをしやすい
- 美容専門学校に比べて学費が安い傾向にある
- 目的別に履修できるコースが豊富に用意されている
- 幅広い年齢層の生徒が集まっているため、何歳からでも学びやすい
▽ネイルスクールでネイルアーティストの勉強をするデメリット
- ネイル以外の知識や技能を学ぶことは難しい
- スクールによっては講義内容や技術の質にバラつきがある
日中のレッスンはもちろん、夜間のレッスンも用意しているスクールが多いため、仕事をしながら学びを深めることもできます。さらに、資格取得を目的としたコースやネイル技術向上を目的としたコースなど、目的に合わせたコースを履修できるのも特徴です。
スクールの料金は、専門学校に比べて比較的安く設定されているケースがほとんどですが、スクールやコース内容によって費用が大きく異なります。また講義内容や技術の質もスクールによってまちまちですので、実績があり信頼できるスクールを選ぶことが重要です。
③通信講座を受講する
コロナ禍で外出することが難しい方や地方に在住していてネイルスクールなどに通うことが難しい方におすすめなのが通信講座でネイルアーティストを目指す方法です。
▽通信講座でネイルアーティストを目指すメリット
- 専門学校やネイルスクールよりも低コストで受講できる
- スクーリングをしなくても学べる
- 場所や時間を問わず学べる
- 家事や仕事との両立がしやすい
▽通信講座でネイルアーティストの勉強をするデメリット
- 練習モデルを探すのに苦労する
- 実技の習得が難しい
- 質問や疑問があってもリアルタイムで相談できない
- 検定試験対策や就職支援を受けられないケースがほとんど
通信講座は時間や場所を選ばずに、好きなタイミングで学べるのが最大のメリットといえるでしょう。家事や育児などとの両立もしやすいため、さまざまな理由でスクーリングが難しい方にぴったりの学習方法といえます。
ただし、実技演習が難しく、直接的な指導も受けられないため、技術習得に苦労するケースがほとんどです。検定試験対策や就職支援などのサポートも期待できないため、独学で学び抜くという強い意志がないと継続しにくいといえるでしょう。
④独学でプロを目指す
書籍や教材を購入して、独学でネイルアーティストを目指すことも可能です。
▽独学でネイルアーティストを目指すメリット
- 費用がかからない
- 自分のペースで学習できる
▽独学でネイルアーティストを目指すデメリット
- カリキュラムに沿った体系的な学習をしにくい
- 教材や道具を自分でそろえなければならない
- 技能試験などのノウハウを学ぶ術がない
独学でネイルアーティストを目指す最大のメリットは、教材費以外の費用がかからないことでしょう。自分のペースで学習を進められるのもうれしいポイントです。
しかし、体系的に学習を進められない、教材や道具も自分で選んで用意しなければならない、さらには技能的なスキルを身につけるのが難しいなどデメリットがあるため、本気でネイルアーティストを目指したい方にはあまりおすすめできません。
ネイルアーティストの年収・給与・収入
ネイルアーティストの給与は、勤務先やスキル、さらに雇用形態や勤務エリアによっても大きく変動します。
ネイルアーティストの平均年収は、ずばり200〜300万円前後です。初任給が額面で16〜18万円前後のお店も多く存在します。
ただし、歩合制を採用しているサロンの場合は指名客が多ければ多いほど稼げるため、平均以上の年収を稼げる可能性があります。
ネイルアーティストの社会のニーズ・将来性・まとめ
近年は、若い世代だけでなくシニア世代でもネイルを楽しむ方たちが増えてきているため、ネイルアーティストの社会的なニーズが高まっています。
ただし、ネイルアーティストとしてすでに活躍されている方やこれから目指す方も相当数存在するため、個人のスキルや経験が重要になってきます。
必要な資格も取得を目指して、スキルアップと経験を積んでいきましょう。
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