エステティシャンの仕事
エステティシャンは、髪の毛を除く顔や体の手入れ(全身美容)を行ないます。
エステティックサロンでは顔のトリートメントをする「フェイシャルトリートメント」を中心に、全身をケアするボディケア、美容脱毛、ネイルケア、フットケアなどさまざまなメニューが取り入れられています。
エステティシャンの仕事で重要なものの一つが、肌トラブルなど美容に関する悩みや肌の状態を確認するための「カウンセリング」です。
カウンセリングを通して、言いづらい悩みや普段のお手入れ方法などを聞き出すコミュニケーション能力は、エステティシャンにとって大事なスキルです。
基本となるフェイシャルトリートメントは、
- カウンセリング
- 肌の状態の確認
- 汚れを落とすクレンジング
- トリートメント
- 美容液などで仕上げ
という流れで行なわれます。
素肌に直接触れるため、常に手指を清潔に保つ必要があるでしょう。併せて、施術に使うベッドや椅子、機材などの清掃・整備もかかせません。
エステティックサロンの利用客には仕事をしている女性も多いため、昼頃から夜10時頃まで営業している店舗が多いようです。
また、土日や祝日に予約が集中しやすいため、土日祝日に休みがとれることは少ないでしょう。
サロンによって提供しているサービスや取り扱っている商材は異なりますが、契約を獲得したり、化粧品や栄養補助食品の物販をしたりなど、営業の能力も求められます。
就業先を選択する際は、その店舗においてどのようなサービスを提供しているのか、どのような機器や商材を利用しているのかなどをよく確認し、自分にあったサロンを探しましょう。
エステティシャンになるには?
エステティシャンになるための資格は特にありません。
ただし、人体の構造や化粧品の知識、美容機器を取り扱う技術も必要になるため、エステティックスクールなどの養成施設や専門学校で、より高度なスキルを身に着けることもできます。
また、大手のエステティックサロンではOJTによる研修が行われているところが多いため、未経験でも就業してから学ぶことができるでしょう。
必要な資格
必須の資格ではありませんが、一般社団法人日本エステティック協会が認定している「AJESTHE認定エステティシャン」もしくは一般社団法人日本エステティック業協会で認定している「AEA認定エスティシャン」といった資格を持っていると知識・技術があることの証明になり、就職で役立つことがあるでしょう。
<AJESTHE認定エステティシャン>
資格取得には以下の両方の条件に該当する必要があります。
- エステティシャンセンター試験に合格
- 協会認定校での300時間以上コースまたは1000時間以上コースの修了、または実務経験1年以上
上位資格には「認定上級エステティシャン」「認定トータルエステティックアドバイザー資格(TEA)があります。
<AEA認定エステティシャン>
資格取得には以下の両方の条件に該当する必要があります。
- エステティシャンセンター試験に合格
- 協会認定校での300時間以上コースの修了、または実務経験1年以上
上位資格には「AEA上級認定エステティシャン」「AEA認定インターナショナルエステティシャン」があります。
エステティシャンセンター試験は、一般財団法人日本エステティック試験センターが開催しており、筆記(マークシート式)と、モデル同伴の技術力確認試験が行なわれます。この2つの試験に合格をすることで、JEEC合格証が発行されます。
試験合格後は、登録要請団体へ資格申請手続きをすることで認定エステティシャン資格を取得することが可能です。登録要請団体は2019年6月時点で以下の4団体があります。
- 一般社団法人 日本エステティック協会(AJESTHE)
- 一般社団法人 日本エステティック業協会(AEA)
- NPO 日本スパ・ウエルネス協会
- 一般財団法人 ICAM日本支部
なお、マッサージを行なうためには、国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」が必要となり、無資格では行なうことができません。
その他、医師免許や美容師免許(理容師免許)が必要な施術もあるため注意が必要です。
専門的な学校・学科はあるの?
認定エステティシャンの資格を取得するためには、指定認定校に通う必要があります。
おもな認定校は、一般社団法人日本エステティック協会が認定している「AJESTHE認定校」と、一般社団法人日本エステティック業協会が認定している「AEA認定校」です。
2022年現在、AJESTHE認定校は全国に119校、AEA認定校は全国に51校開校しています。
いずれも300時間コースと1000時間コースがあり、上級資格を取得するためには1000時間コースの選択が必要です。
認定校では、エステティック概論や皮膚科学、衛生管理やカウンセリングなどの理論課程と、フェイシャル・ボディエステティック、脱毛やメイクアップなどの技術課程を学ぶことができます。
学校や学科によっては、エステティシャン以外にもアロマセラピストやダイエットアドバイザー、脱毛士など美容にかかわること全般を学ぶことができます。自分の学びたいことに適した学校を探してみるとよいでしょう。
エステティシャンの年収・給与・収入
エステティシャンの収入は、勤務地や経験により異なります。
厚生労働省の統計データでは、
- 年収:319.8万円(令和3年賃金構造基本統計調査)
- 求人賃金:23.3万円(ハローワーク求人統計データ)
となっています。
大手サロンや都市部ほど、平均年収は高い傾向にあるようです。また、歩合給を取り入れているサロンでは、獲得した契約内容などによって年収アップを目指すことも可能です。
より大幅な収入アップのために、独立してサロンを開業する選択肢もあります。テナント用店舗ではなく、マンションの一室を借りて個人サロンとして営業している個人事業主も多くいます。自分が働きやすい環境で営業できる点は、エステティシャンという仕事の魅力の一つといえるでしょう。
エステティシャンの社会のニーズ・将来性・まとめ
社会の関心も高い美容業界。最近では、有名人やYouTuberなどがサロンを開業することも増えています。美容に関心をもつ男性が増えてきているため、メンズ専門店も需要が高まっています。
街中だけではなく、スパなどのレジャー施設や宿泊施設にもエステサロンが入っていることが多いため、エステティシャンには幅広い活躍の場があります。
将来、出産や引越しなどで生活環境が変わっても、経験や技術があれば復帰や転職もしやすい職種です。
経験を積んだあとも、講師やインストラクター、または独立開業という道もあるため、将来性がある職業といえるでしょう。
エステティックサロンを利用するお客さまは、年代や性別を問わず「美しくなりたい」という想いをもっています。その期待に応えることができるよう、エステティシャンは知識や技術を磨きつづける必要があります。
さらに、悩みや不安をかかえているお客さまに信頼されるよう、カウンセリングやコミュニケーション能力も身につけていかなければなりません。
自分の技術や知識を磨き続けることができる向上心のある人や、人に喜んでもらえることにやりがいを感じることができる人がエステティシャンに向いているでしょう。
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