塾講師を目指したい、また現在アルバイトで勤務しているといった方も多いでしょう。
基本的に塾講師は各塾の研修などを修了した後、その塾で勤務するといった形です。
しかし、中にはよりハイレベルな塾講師を目指したいといった方もいるはずです。
そんな方におすすめなのが、学習塾講師試験検定。
よりクオリティの高い塾講師となることで、学習塾業界でも活躍することができます。
本記事では、学習塾講師試験検定についてお伝えしていきましょう。
学習塾講師試験検定について
学習塾講師試験検定の基本情報について下記の内容にまとめました。
- 学習塾講師試験検定とは?
- 学習塾講師試験検定がある理由
- コンピテンシーディクショナリについて
- 検定試験の資格や内容
それぞれ解説します。
学習塾講師試験検定
学習塾講師試験検定とは、学習塾人材育成に貢献するためにスタートした公益社団法人全国学習塾協会が主催の民間試験です。
学習塾講師試験検定には、大きく分けて3つの種類が用意されています。
- 学習塾指導者認定
- 集団指導2級
- 集団指導1級
これら試験内容などについて詳しくは後述します。
学習塾講師試験検定がある理由
学習塾講師は、基本的に各塾が定める規定および研修内容などをクリアすることでなることが可能です。
一方でそのハードルの低さゆえに、大学生を中心とした非正規社員講師が全体のおよそ6割を占めています。
「プロフェッショナル」としての能力不足がなどが問題視されているほか、能力開発機会不足、低い定着率など、学習塾業界には課題が山積している実情があります。
また、塾によっても講師のクオリティがバラバラといった問題もあるでしょう。
さらに近年、この状況下の中で学習塾を利用する児童・生徒数は増加傾向にあり、より高い能力を持った学習塾講師が求められるようになりました。
学習塾講師試験検定は、これら課題を踏まえた上で各学習塾における優秀な人材の確保・育成するために公益社団法人全国学習塾協会が始めた検定試験です。
同検定試験によって高いレベルの講師が増加することにより、現在学習塾が抱えている問題の解決につながると考えられています。
コンピテンシーディクショナリについて
学習塾講師検定では、評価において「コンピテンシーディクショナリ」と呼ばれるものを基礎としています。
コンピテンシーディクショナリとは、学習塾の講師が求められている、「知識・技術・能力」などを具体的に記述しているものです。
「①授業の流れ」、「②各段階で望まれる行動」といった軸で学習塾講師が実際に授業を行う際の流れを分類化。
得意分野・不得意分野を明確することで、より優れた学習塾講師を目指してもらおうと設計されています。
試験において非常に重要な内容が記されているため、必ず読み込み理解する必要があるでしょう。
また、公式ホームページにて無料で「学習塾講師自習用DVD」が確認できるため、文字だけでは理解しにくい、コンピテンシーディクショナリをより理解したいといった方は確認しておくことをおすすめします。
学習塾講師試験検定の資格や内容
学習塾講師試験検定の受験資格を下記にまとめました。
- 満18歳以上の方
- 集団指導1級は、18歳以上でかつ集団指導2級の検定合格証を有している
学習塾講師試験検定の規定はさほど厳しいものではありません。
現役の塾講師である必要はないため、ハイレベルな塾講師を目指したい満18歳以上の方はチャンレジしやすい試験と言えるでしょう。
学習塾講師試験検定の受験料を下記にまとめました。
学習塾指導者認定 | 受験料 3,000円(税込価格) |
集団指導2級 | テキスト学習・筆記試験 受験料4,730円(税込価格)/実技試験 受験料 8,470円(税込価格) |
集団指導1級 | 受験料 8,470円(税込価格) |
また、検定認定者には下記が発行されます。
- 学習塾講師 基礎知識学習・筆記試験修了証または学習塾講師 学習塾指導者認定証
- 学習塾講師 集団指導2級認定証
- 学習塾講師 集団指導1級認定証
集団指導2級検定合格証と集団指導2級検定合格証は、交付された日から5年間有効となります。(各級所定の方法で更新可能)
下記にて、学習塾講師試験検定における3つの具体的な内容を解説していきましょう。
学習塾指導者認定
学習塾指導者認定では、テキスト学習と筆記試験が行われます。
指定のテキストに沿って学習塾講師における「基本的マナー」、「初歩的な心構え」を学ぶ流れです。筆記試験では、「基本的マナー確認試験」と「担当科目理解度試験」の試験が実施されます。
担当科目理解度試験は、「国語・数学・理科・社会・英語」の中から1科目を選択でき、合格は正答率は70%以上です。
試験会場は、東京、仙台、大阪、名古屋、福岡などが予定されています。
2023年度の開催日と試験会場について詳しい内容は下記URLを確認ください。
集団指導2級試験
集団指導2級試験では、テキスト学習と筆記試験、実技試験が行われます。
テキスト学習では、学習塾講師における「基本的マナー」「初歩的な心構え」をテキストに沿って習得する流れです。
筆記試験も、学習塾指導者認定と同様に「基本的マナー確認試験」と「担当科目理解度試験」が実施され、担当科目理解度試験では上記5科目から1科目を選ぶことができます。(正答率70%以上で合格)
また、集団指導2級試験では、筆記試験の合格者または学習塾指導者認定の合格者を対象に、実技試験の受験が必要です。内容は、自らDVD化した受験者本人の模擬授業映像を協会に送付。
その映像を協会側が、「学習塾講師検定【集団指導2級】評価マニュアル」に従って評価します。
実技試験では「Ⅰ 導入」、「Ⅱ 展開」、「Ⅲ まとめ」といった3つの段階での採点があるところが特徴です。
審査員は3人で、審査員がそれぞれ持っている150点の点数の合計339点以上が合格ラインとなります。
実技試験は、「学習塾講師のコンピテンシーディクショナリ」、「学習塾講師検定【集団指導2級】評価マニュアル」をしっかりと読み込み理解することが合格するためのポイントです。
2023年度の開催日と試験会場について詳しい内容は下記URLを確認ください。
集団指導1級試験
集団指導1級試験では、実技試験が行われます。
受験資格は集団指導2級資格取得者で、受験者本人の模擬授業映像を「学習塾講師検定【集団指導1級】評価マニュアル」に従って合否の評価が下される流れです。
2級同様に所定の基準点を満たしていることが合格ラインで、「Ⅰ 導入」、「Ⅱ 展開」、「Ⅲ まとめ」といった3つの段階での採点となります。
よりハイレベルな模擬授業が求められるため、「学習塾講師検定【集団指導1級】評価マニュアル」記載の採点方法や審査基準を徹底的に理解しておく必要があるでしょう。
2023年度の開催日と試験会場について詳しい内容は下記URLを確認ください。
まとめ
学習塾の多様化によって、高い能力をもった塾講師の存在が求められています。
それら講師の能力を示すものとして、「学習塾講師試験検定」の存在は非常に大きいと言えるでしょう。
学習塾講師試験検定を通じて塾講講師の基礎から応用までをしっかりと理解し、児童・生徒に求められるハイレベルな講師をぜひ目指してみてはいかがでしょうか。
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