プロデュース業

吉﨑丈和/TheKEYPOINT

人と人、人とモノの素敵な出会いをどんどんつなげていくプロデュースを

――現在何をやっておられるか、職種というかその辺のお話を伺いたいなと思います。

 

吉﨑丈和氏(以下、吉崎) いろいろですね。イベント、ブライダルのプロデュース、飲食店の経営、不動産の管理など・・・

梅小路の鉄道博物館を貸切って挙式するプランなんかは面白かったですね。こちらは博物館の公式HPにも載せてもらってるんです。

 

――トータルプロデュース業という職種があるのかはわからないですけど、いろんなものをプロデュースしているわけですね。

 

吉崎 世界遺産の仁和寺さんの落慶法要では、イベントの売店を統括させていただきました。さらに、新しいライトアップ事業の立上げでも、第1回目の開催を委託していただき、オペレーションを1から組み立てて運営することができました。

 

――幅が広いですね

 

吉崎 クライエントにとっては、大手の方が安心かもしれませんが、金額も大きくなってしまいます。弊社のポイントは、お客様のニーズや予算を汲み取り、寄り添いながら仕事を進めていくことだと思っています。あと、小回りが利くところも強みと言えますね。

――どのような経歴を経て、このお仕事に?

 

吉崎 元々ホテルマンを目指していたのでホテルの専門学校に2年通いました。卒業後はホテルグランヴィア京都にオープニングスタッフとして入社し、1997年から入社し18年間従事しました。

宿泊から、営業・宴会・婚礼と、いろんな部門で学びながら経験を積ませていただきましたが、やはり大手ですから、上司の決裁をとらないと行けないことなど、窮屈なことが増えてきまして・・・

 その後、ブライダル部門での実績が評価されて、ヘッドハンティングという形で、リゾートトラスト株式会社に転職することになりました。

 新しいホテルでも、以前の職場との比較で、いろいろ勉強させていただけたんですが、お客様ともっと近くでお手伝いをするにはどうすればいいか、上司に伺いを立てることなく自分で進めていくためには、やはり個人で独立するということになったわけです。

 

また当時40歳というのもありましたのでそこからの人生を自分らしく生きていけたらいいなと思ったのが独立のきっかけになりました。

 

――40歳で独立ということですけども、今の学生たちの年齢、20歳くらいの時に独立しようという思いはありましたか?

 

吉崎 正直なところ、55歳までには旅館を経営したい、という思いは20歳の頃から夢として持っていました。そこを目指すには、もちろん顧客を作っていかなければなりませんし、そのためにはいろんな人と出会うこと、その方々のお力になれることを自分なりに探しつつスキルを高めていくことを意識しています。会社を大きくするよりも、いつまでもお客様に寄り添っていける環境を作っていくことが大事だと考えています。

――ただ、コロナで、ブライダルやイベント業界は、まさに暗黒時代に入ってしまったんですが?(インタビュアー)

コロナ前に、たまたま開いた物件を借りてカフェ&バーを始めてたんです。コロナ禍のあんな状況でさてどうしたもんかと思案したところ、みなさんに集まってもらえる場所、交流の拠点にできないかと考えて、例えば昼から呑める店にしようかとか、いろいろ時代に合ったものに変えていけるスピード感が大事なんだと学びました。

 

――職種というより、いかに人とどのように接してどのように仕事をしていくかというのを重視していると?職種というカテゴリに括られるのではなく、お客様にどのように接していくか、という思いの重視が根元にあるようですね。

 

吉崎 仕事は、人と人、人とモノ、モノとモノをどういう風に結びつけていくか、

よいものをどう伝えていくかが全てだと思っています。なのでまずはお金儲けをするというよりはいいものをどういう風に生み出すか。そのニーズがWANTSとなることを考えながら取り組んでいます。

 ―― 誰も予想できなかったコロナの影響も大きいとは思いますが、独立する前と後では、どんな違いがありましたか?

 

吉崎 独立するとしんどいよというのはみんなから聞いていたんですが、実際やってみてそのしんどさを感じたのは2年目ですね。

1年目はやはり必死で行動して皆様も色々助けて下さるというのもありましたが、2年目は自分の力が試される時期でもあります。

元々は自分の資本金と、融資を受けながらやっていたわけなんですが、実は2年目、貯蓄がない、というどん底まで行きまして・・・

当たり前ですが、イベントでも先に支払いがあったり、お金を回すという必要な経験が決定的に不足していましたね。

会社勤めのときはバックに潤沢なお金があったので簡単に考えていましたが、実際に自分の財布でやってみると、なかなかうまくいかない。

組織として成り立っているというのはすごいことなんだなと痛感しました。

 

――社長の決断は、一つ一つが重いですからね。

 

吉崎 判断ミスは、自分にも会社にも降りかかってくるということ、その責任感が、独立しての大きな変化と言えますね。

――ではここから、京都との係わりについてお伺いします。吉崎さんにとって、京都で働く魅力、京都の魅力ってなんなんでしょうか?

 

吉崎 私、生まれも育ちも京都で、やはり京都が好きなんですね。その大好きな京都をどんな風に伝えるか・・・観光都市と言われてますが、日本人も海外の方も、どちらも相手にするというのは両極端のところもあると思っていて、ただどちらにとっての魅力もあるから皆さん、観光に来て頂ける。

この魅力をどう楽しんでいただくか。観光のビジネスもそうですしイベントも先ほど申し上げましたけどもお寺に来て頂ける方をどう楽しんでいただけるか、そしてブライダルも同様で、京都にある魅力を地方からでも求めてきてくださるというのがすごくあるというのを感じておりますので。先ほどの仁和時のイベントや、鉄道博物館のブライダルも同様で、京都に元々ある魅力を、地方から来ていただく方にどう伝えるか、が観光ビジネスなんだと思っています。

今度文化庁もこちらに来ますが、魅せられる京都というのはまだまだ奥深いと思っているので、まだ知られていないお寺や神社・会館と一緒になって盛り上げていくアイデアや信頼関係の構築、人と人を結んでいく仕事が、やりがいのある部分だと感じています。

 

――伸びしろはありますか?

 

吉崎 伸びしろは、すごくありますね。まだ知られてない京都を切り開いていく、でも、それには一人じゃ出来ない事もたくさんあって、そういう関係性を形にしていくお手伝いを、寄り添ってやっていければと思っています。

滋賀県に『三方良し』という言葉がありますが、「買い手よし、売りて良し、世間良し」で、みんながよくなるようにしていきたいです。

 

――京都は学生の街といわれますが、京都にはたくさんの学生が学びにきています。

ただ、京都で学生生活を過ごしても、就職は首都圏だったり、地元に帰ったりで、京都に残らないことも多い。僕らはそこに課題を感じていて、なんとか京都の学生と京都の会社、特に中小企業を結び付けたいと思っています。

京都の学生が、京都で働くことに魅力を感じるには、何が必要でしょうか?

 

吉崎 学生生活に京都を選んだのであれば、ここで何か足跡を残す、という気持ちをもったら見えてくる部分もあると思うんです。

皆さんの地元がどうということでなく、京都はやはり学生の街といわれていて、学生が活動できるフィールドが多い。そういう環境で、学生がどうやったらレストランや食事にいくかという視点を考えると、すごく楽しくなってきます。そこから自分たちがいきたい店を作るという一番楽しいプロデュースの過程があって、そこに経営陣がお金を出資して、一緒に回していくというつながりも出てきます。。

まずは自分たちが求めるものが何なのか、こういう店がいいなとかこういう風になったらいいなとかいうのを学生らしくどんどん語ってほしい。ただその発信も、古い考えを知ったうえであれば、もっといい。温故知新という言葉が好きなんですが、今はこうですよ、と同じ言うのでも、古い考えをしっかりと理解した上であれば、なおさら説得力があって、ビジネスにもつながる。よりよい京都の街を作るには、必要な考え方だと思います。

 

――企業は学生を求めてますか?

 

吉崎 やはり新しい考え方は欲しいですね。偉そうに大人がいうのもなんですけど、新しいことってその時代の真ん中にしか理解できないことっていっぱいあるんですよね。それをどんどん声に出して形にしていってほしいなと。

 

――ある意味大人を利用するぐらいで

 

吉崎 夢をかなえようという気持ちがあれば、こうしたらいいんか、あーしたらいいんかとかいっぱい考えられる。考える力ってすごく大事なことで、まずアイデアがでないのもダメ、的外れなこともだめだけど、そこは学生さんがチャレンジすることが今後のやりがいにつながれば仕事も楽しくなると思うので、ぜひアドバイスを逆にしてほしいかなと思います。

 

――今46歳ということですので5年後、51歳までに実現したいこと、やりたいことはありますか?

 

吉崎 やはりコロナの影響がかなり大きいので、元の形を取り戻すというのをまっ先にやらないといけないと思います。

幸い、新しいオファーもいただいていまして、例えば、昔ながらの建物を有効活用して、どのように魅力を伝えていくか、とか、新しいお店のプランもどんどん出てきています。ビジネスをどのように立ち上げていくか、思案が楽しいところです。

5年後には50歳を迎えているわけですが、40歳だからできます50歳だからできますというのではなく、20歳そこそこでも開業して経営者になれる、という形を確立させていきたい。そうした展開をプロデュースして、一緒にお客様を満足させるという器械をどんどん増やしていきたい。5年後に達成したいと言えば、こういうことですね。 

 

――ライフプロデュースみたいな?

 

吉崎 やってみないとわからないこともありますので、まず一度やってみる。あかんかったらやめればいいので。

なにごともスピードが命だと思ってますし、やることもスピード感をもってやらないといけない。逆にやめるのもスピード感をもってやめれば、自分の血が流れてでていかない。やったらだめだった、借金だけ残るというのはプロデューサーとして一番よくないことだと思ってます。

 

――最後にまとめて何かいただけたらと

 

吉崎 会社としては多種多様なことをやっているんですけど、基本的なモットーとしては、お客様を喜ばせるのが仕事、ということ。

人と人、人とモノの素敵な出会いをどんどんつなげていくというのを社訓のように話しているんですが、それは、ここにきたら何かが得られる、ここにきたら何か気持ちが楽になるとか仕事の疲れが吹き飛ぶねとか、そんな風に思ってもらえる場所でありたい、ということなんです。私たちに仕事を頼んでいただいた結果として「ありがとう」という言葉をいただく。そのために親身になって行動していくのが一番だと思ってます。業種がなんであれ結果的にはお客様にありがとうと言ってもらうのが仕事だし、一番大事なことだと思っております。一緒に仕事してみたい、と思われたら、なんなりとご相談ください

詳細情報

TheKEYPOINT代表 吉﨑丈和(TOMOKAZU YOSHIZAKI)

サイトURL:https://thekeypoint1.com/

飲食店事業

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万天(MANTEN) 泡と創作天ぷらバル

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