――ではここから、京都との係わりについてお伺いします。吉崎さんにとって、京都で働く魅力、京都の魅力ってなんなんでしょうか?
吉崎 私、生まれも育ちも京都で、やはり京都が好きなんですね。その大好きな京都をどんな風に伝えるか・・・観光都市と言われてますが、日本人も海外の方も、どちらも相手にするというのは両極端のところもあると思っていて、ただどちらにとっての魅力もあるから皆さん、観光に来て頂ける。
この魅力をどう楽しんでいただくか。観光のビジネスもそうですしイベントも先ほど申し上げましたけどもお寺に来て頂ける方をどう楽しんでいただけるか、そしてブライダルも同様で、京都にある魅力を地方からでも求めてきてくださるというのがすごくあるというのを感じておりますので。先ほどの仁和時のイベントや、鉄道博物館のブライダルも同様で、京都に元々ある魅力を、地方から来ていただく方にどう伝えるか、が観光ビジネスなんだと思っています。
今度文化庁もこちらに来ますが、魅せられる京都というのはまだまだ奥深いと思っているので、まだ知られていないお寺や神社・会館と一緒になって盛り上げていくアイデアや信頼関係の構築、人と人を結んでいく仕事が、やりがいのある部分だと感じています。
――伸びしろはありますか?
吉崎 伸びしろは、すごくありますね。まだ知られてない京都を切り開いていく、でも、それには一人じゃ出来ない事もたくさんあって、そういう関係性を形にしていくお手伝いを、寄り添ってやっていければと思っています。
滋賀県に『三方良し』という言葉がありますが、「買い手よし、売りて良し、世間良し」で、みんながよくなるようにしていきたいです。
――京都は学生の街といわれますが、京都にはたくさんの学生が学びにきています。
ただ、京都で学生生活を過ごしても、就職は首都圏だったり、地元に帰ったりで、京都に残らないことも多い。僕らはそこに課題を感じていて、なんとか京都の学生と京都の会社、特に中小企業を結び付けたいと思っています。
京都の学生が、京都で働くことに魅力を感じるには、何が必要でしょうか?
吉崎 学生生活に京都を選んだのであれば、ここで何か足跡を残す、という気持ちをもったら見えてくる部分もあると思うんです。
皆さんの地元がどうということでなく、京都はやはり学生の街といわれていて、学生が活動できるフィールドが多い。そういう環境で、学生がどうやったらレストランや食事にいくかという視点を考えると、すごく楽しくなってきます。そこから自分たちがいきたい店を作るという一番楽しいプロデュースの過程があって、そこに経営陣がお金を出資して、一緒に回していくというつながりも出てきます。。
まずは自分たちが求めるものが何なのか、こういう店がいいなとかこういう風になったらいいなとかいうのを学生らしくどんどん語ってほしい。ただその発信も、古い考えを知ったうえであれば、もっといい。温故知新という言葉が好きなんですが、今はこうですよ、と同じ言うのでも、古い考えをしっかりと理解した上であれば、なおさら説得力があって、ビジネスにもつながる。よりよい京都の街を作るには、必要な考え方だと思います。
――企業は学生を求めてますか?
吉崎 やはり新しい考え方は欲しいですね。偉そうに大人がいうのもなんですけど、新しいことってその時代の真ん中にしか理解できないことっていっぱいあるんですよね。それをどんどん声に出して形にしていってほしいなと。
――ある意味大人を利用するぐらいで
吉崎 夢をかなえようという気持ちがあれば、こうしたらいいんか、あーしたらいいんかとかいっぱい考えられる。考える力ってすごく大事なことで、まずアイデアがでないのもダメ、的外れなこともだめだけど、そこは学生さんがチャレンジすることが今後のやりがいにつながれば仕事も楽しくなると思うので、ぜひアドバイスを逆にしてほしいかなと思います。
――今46歳ということですので5年後、51歳までに実現したいこと、やりたいことはありますか?
吉崎 やはりコロナの影響がかなり大きいので、元の形を取り戻すというのをまっ先にやらないといけないと思います。
幸い、新しいオファーもいただいていまして、例えば、昔ながらの建物を有効活用して、どのように魅力を伝えていくか、とか、新しいお店のプランもどんどん出てきています。ビジネスをどのように立ち上げていくか、思案が楽しいところです。
5年後には50歳を迎えているわけですが、40歳だからできます50歳だからできますというのではなく、20歳そこそこでも開業して経営者になれる、という形を確立させていきたい。そうした展開をプロデュースして、一緒にお客様を満足させるという器械をどんどん増やしていきたい。5年後に達成したいと言えば、こういうことですね。
――ライフプロデュースみたいな?
吉崎 やってみないとわからないこともありますので、まず一度やってみる。あかんかったらやめればいいので。
なにごともスピードが命だと思ってますし、やることもスピード感をもってやらないといけない。逆にやめるのもスピード感をもってやめれば、自分の血が流れてでていかない。やったらだめだった、借金だけ残るというのはプロデューサーとして一番よくないことだと思ってます。
――最後にまとめて何かいただけたらと
吉崎 会社としては多種多様なことをやっているんですけど、基本的なモットーとしては、お客様を喜ばせるのが仕事、ということ。
人と人、人とモノの素敵な出会いをどんどんつなげていくというのを社訓のように話しているんですが、それは、ここにきたら何かが得られる、ここにきたら何か気持ちが楽になるとか仕事の疲れが吹き飛ぶねとか、そんな風に思ってもらえる場所でありたい、ということなんです。私たちに仕事を頼んでいただいた結果として「ありがとう」という言葉をいただく。そのために親身になって行動していくのが一番だと思ってます。業種がなんであれ結果的にはお客様にありがとうと言ってもらうのが仕事だし、一番大事なことだと思っております。一緒に仕事してみたい、と思われたら、なんなりとご相談ください