ルポライター

ドラマなどで、ルポライターを名乗る人物が出てくる話を見たことはないでしょうか?

ルポライターは、世の中の出来事を客観的に文章にする仕事です。

しかし、ルポライターという職業を聞いたことがあっても、実際に何をしている仕事かはわからないものです。

「将来、ルポライターになりたい」

「どうすればなれるんだろう?」

この記事では、そんな疑問を解消するために、ルポライターの仕事やなり方、目指せる学校などについて紹介します。

記事を見て、ルポライターの仕事のイメージ作りのお役に立てれば幸いです。

ルポライターの仕事

ルポライターは、独自にテーマを決めた出来事を取材し、ありのままの情報を事実に即して客観的に文章にする仕事です。

テーマとなる事件や事故の現場、特定の企業や団体などに足を運んで、取材を繰り返します。

ときには、日本を飛び出して海外へ取材をしに行くこともあります。

そのほか、現地での写真撮影や公的機関での情報収集なども仕事です。

集めた情報を主観的な意見をまじえず、客観的に記事化することが重要な仕事です。

ちなみにルポルタージュとは、第一次大戦後に発生した報告記事のことをいいます。

その語源は、「報道」「現地報道」を意味するフランス語です。

「ノンフィクション」「記録文学」「報道文学」とも呼ばれています。

世間的にルポライターとジャーナリストの仕事は混同されがちです。

現地で取材し文章にするところはジャーナリストも同じですが、自分の主観的な意見をまじえて書くという点がルポライターとの違いになります。

次にルポライターの仕事のやりがいです。

ルポライターの仕事でのやりがいは、自分の書いたルポルタージュが記事になるところにあります。

苦労して取材を重ねた記事が、多くの人の目に見える形となって掲載されることで、達成感を感じられるからです。

さらに、その記事が人の心を動かすものになったときには、なんともいえないやりがいを覚えるでしょう。

例えば、Web媒体に転用された記事のコメント欄に共感する言葉が並んでいるのを見つけたときなどです。

そんなルポライターの仕事に向いている人の特徴は、3つあります。

①まとまりのある文章を書ける人

人が読みやすいまとまりのある文章を書ける人は、ルポライター向きです。

読者にわかりやすい文章を読ませるには、まとまりのある構成で文章を書かなければ伝わらないからです。

例えば、たくさんの人物が関係する事件の記事を書く場合、その人物同士のつながりを整理してわかりやすく書かなければなりません。

そのため、まとまりのある文章を書ける人は、ルポライターの仕事に向いています。

もちろん前提として「文章を書くことが好き」なことが大切です。

②相手の気持ちになって考えられる人

相手の立場になってものを考えられる人は、ルポライター向きです。

取材先ではときに目を背けたくなるような事件の遺族を対象にすることもあるため、相手への配慮が必要だからです。

取材をする際には、聞きたいことを質問するばかりでなく、相手を思いやりながら寄り添って取材を続けることが大切になります。

そのため、相手の気持ちになって考えられる人は、ルポライターに向いているといえるでしょう。

③強いメンタルと体力がある人

ルポライターにとって強いメンタルと体力は必要な要素です。

ルポライターは、事件の当事者に取材をする際など、聞くだけでも嫌になるような事実も心を乱さず客観的に聞く姿勢が大切だからです。それには強い精神力で臨まなければなりません。

また、長時間にわたるインタビューを行なったり、さまざまな現場に足を運んだりするため、体力がないと務まりません。

そのため、強いメンタルと体力がある人は、ルポライターという仕事に向いています。

ルポライターになるには?

ルポライターは、フリーランスとして働くのが一般的です。

しかし、なかには、出版社や編集プロダクションで社員として働いたあとに独立する人もいます。

独立したルポライターが仕事を得るには以下の方法があります。

「新聞社や出版社から依頼を受けて書く」「自分で取材・執筆した記事を新聞社や出版社に売り込む」の2つです。

フリーで働く場合、大きく稼げるときもあれば、収入がまるで入らない月もあるため、厳しい世界であることは間違いありません。

収入を上げるなら、出版社で募集しているノンフィクション大賞で受賞するなど、ルポライターとしての価値を上げることが大切です。

もし安定した収入を得たいと思うなら、出版社や編集プロダクションで働くのが一番です。

出版社の試験内容は、書類選考後の筆記試験と複数の面接になります。

筆記試験では、一般常識・時事問題・発想力の問題が出され、出版社に向いている人物かどうか判断されます。

面接試験は、「志望動機」「入社後に実現したいこと」「仕事への意気込み」などの質問が多い傾向です。

受ける出版社を選ぶ際には、入社してからのミスマッチがないよう、ルポライターの仕事に活かせる部分があるかを判断する必要があります。

必要な資格

ルポライターになるために必要な資格はありません。

しかし、民間で行なっているライター養成講座でライターの基礎を学ぶことは可能です。

例えば、あるライター養成講座では、アイデアや企画の発想の仕方や取材方法、ライティング技術を学ぶことができます。

一流の編集者やライターが講師なので、ルポライターとしてのさまざまなスキルを吸収できるはずです。

専門的な学校・学科はあるの?

ルポライターになるには、特に学歴は必要ありません。

しかし、大手の出版社や編集プロダクションでは、大卒以上を求めるところが多いため、出版社や編集プロダクションに入りルポライターを目指す場合は大学に進学しておいたほうがよいでしょう。

大学を選ぶ際の基準ですが、マスコミ学科や新聞学科、文芸学科や社会学科などを専攻して学べば、ルポライターとしての知識の役に立つはずです。

大学のなかには実際に新聞作りを行ない、現役のスポーツ新聞記者から直接指導を受けられる学校もあります。

ルポライターの年収・給与・収入

ルポライターとしての明確な年収はわかりません。なぜならフリーランスの場合は仕事が取れなければ無収入となり、収入はそのときどきで異なるからです。

ただ、出版社や編集プロダクションの場合の平均年収なら、推測することが可能です。

出版社や編集プロダクションで働く場合の平均年収は、大手で600万円〜800万円ほど、中小で350万円〜600万円ほどになります。

フリーになった場合、年収は原稿料と印税からなりますが、依頼先により収入が変わるため収入が安定していません。

フリーとして年収を上げるなら、紙媒体だけではなくWebメディアに執筆する方法も考えておきましょう。

Webメディアの場合、閲覧数次第で単価アップの交渉もできますが、複数のメディアで執筆しないと稼げないという現実もあります。

ルポライターの社会のニーズ・将来性・まとめ

ルポライターの仕事は、今後もなくなることはありません。

事件や事故、世のなかのあらゆる不正をありのままに伝えるルポライターがいなければ、真実は闇に葬られたままになってしまうからです。

ルポライターの使命は、明らかにされない真実を客観的にあぶり出すことです。

人々の「真実を知りたい」という欲求がなくならない限りは、ルポライターの記事は求め続けられます。

ただし、不確かな情報や読者を不快にさせるような記事を書いてしまうと一瞬のうちにルポライターの信用を失ってしまうため、注意が必要です。

独自のルートで取材を重ねることで確かな事実を拾い上げることができれば、貴重なルポライターとして重宝されるでしょう。

これからルポライターを目指すなら、真実をあぶり出す姿勢を大切にしてください。

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